2011年9月4日日曜日

イランのシャツ

 
これは、木綿のシャツです。
レーベルが分からない言葉なので読んでもらったら、イラン製ということでした。古着屋で、一目で気に入って、買いました。もちろん手織りです。色の具合も、肌触りのやわらかさも、申し分のないシャツです。でも、気が付けば、なにか食べ物のしみが付いていますね。責任者は、ぼくです。 

今住んでいる国は、移民の国なので、世界中のさまざまな国から来た人に出会います。
イスラム世界から来た人とも、知り合う機会があります。ニューヨーク時代に親しかった羅紗戸さんは、レバノンから来た人でした。

この街に来て、イラン人の健さんとの出会いがありました。
健さんは、奥さんと小さかった娘さんを連れて、イランから日本に来ました。
日本で十年働いて、娘さんが小学校六年生のときにビザの更新ができなくなり、一家で日本を出て、アメリカに来ました。娘さんは日本で育ち、すっかり日本の子になっていたので、ずいぶん悲しんだそうです。健さん一家は、住みなれた日本を離れ、新しい土地で、また一から始めるしかありませんでした。

初めて健さんと会ったとき、彼の日本語が上手なのに驚きました。
電話で話していると、完全に日本人です。
「そうですね。わたしの好物は、やっぱり今でも、カツどんと、カレーパンですね」
などと言います。
彼の人生には困難もありましたが、健さんは、今では、すっかりアメリカにも慣れて、小さな会社を経営しています。娘さんも、もうすぐ大学生です。
今でも一家三人で、日本食を食べに行くのが、健さんの楽しみです。Copyright ©2011RioYamada

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