花に嵐のたとえもあるぞ
サヨナラだけが人生だ
井伏鱒二 (1898~1993)
さまざまの事おもひ出す桜かな 松尾芭蕉 (1644~1694) |
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散ってしまった。
止められなかった。
誰ひとり、止めることができなかった。
花は、力ずくで、散ってしまった。
今となっては、もう、遅い。
山田リオ
咲いてしまった。
止められなかった。
誰ひとり、止めることができなかった。
花は、力ずくで、咲いてしまった。
今となっては、もう、遅い。
山田リオ

やまだりお
すこしだけ 雪が降った日に
すこしだけ いいことがあって
おいしい食べ物を 食べて
だれかと 笑って 話して
そういう 日が
ダンゴムシにも あって
だれかと ちがうから
だれかに きらわれる
そういうことが あっても
だれかに やさしくされても
なにがあっても なにもなくても
ダンゴムシは 気にしない
明日は 来ないかも しれないから
「ありとあらゆる どんなものも ことも
なにもかもが すべて かならず 過ぎ去る
だから なまけないで 生きなさい」
(ブッダ最後の言葉)
明日ありと思ふ心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは
親鸞
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吉野山さくらが枝に雪降りて花おそげなる年にもあるかな
吉野山去年のしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねむ
世の中を思へばなべて散る花のわが身をさてもいづちかもせむ
吉野山やがて出でじと思ふ身を花ちりなばと人や待つらむ
ねがはくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ
西行法師
行かむ人來む人しのべ春かすみ立田の山のはつざくら花
大伴家持
いそのかみ古き都を來て見れば昔かざしし花咲きにけり
春霞たなびく山の桜花 うつろはむとや色かはりゆく
詠み人知らず
清水へ祇園をよぎる桜月夜今宵逢ふ人みなうつくしき
与謝野晶子
わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪きゐる見ゆ
かすかなる風ある空かさくらばな雪片のごともしばし宙舞ふ
しんしんと頭の底にも陽は差してそこも桜の無惨の白さ
花朽ちて沈みてゆきし野の井戸の無明無限の水深想ふ
河野裕子