2015年11月27日金曜日

八木 重吉




ながいこと考えこんで
きれいに諦めてしまって外へ出たら
夕方ちかい樺色の空が
つめたくはりつめた
雲の間に見えてほんとにうれしかった

冬の野

死ぬことばかり考えているせいだろうか
枯れた茅のかげに
赤いようなものを見たとおもった


八木 重吉(1898 - 1927)