それ以上のことは、願わない。望まない。
2020年12月31日木曜日
2020年12月25日金曜日
2020年12月24日木曜日
2020年12月9日水曜日
猫の
はるのよい かってしったる へいのうえ
たづくりは はにくっついて たべにくい
はととった こともあったな いまはむり
(ねこはい)南伸坊(1947~)
きにいったひとは「ねこはい」のほん、かってね。ぶんこです。680えん。
2020年12月8日火曜日
また茂吉
雪山にむかひて歌を読まむとすしょぼしょぼとせる眼をもちて
眼(まなこ)
歌ひとつ作りて涙ぐむことあり世の現身よわが面をな見そ
現身(うつせみ)面(おもて)
全けき鳥海山はかくのごとからくれなゐの夕ばえのなか
斎藤茂吉(1882~1953)
2020年11月28日土曜日
茂吉
わが生はかくのごとけむおのがため納豆買ひて帰るゆふぐれ
辛うじて机のまへにすわれども有りとしも無しこのうつしみは
斎藤茂吉(1882~1953)
2020年11月26日木曜日
2020年11月22日日曜日
後悔
とくに、豊かな内容の原稿が来て、
それを、楽しみながらあれこれと考え、
書き、読み返し、書き直し、訂正し、
あれこれ工夫して書く時間は、本当に楽しい。
あっという間に時間が、日々がすぎて行く。
出来上がってしまって、原稿を送った後は、
大切なものを失ったようで、淋しい。
そんなことなら、もっと時間をかけて、
ゆっくりやるんだった、と後悔する。
でも、また仕事が来ると、
もう、楽しくて、どんどんやってしまう。
そして、仕上がってから、また、後悔する。
むづかしいものだ。
ところが、ときには、というか、しばしば、
送ってしまった後で、失敗に気がつく。
まったく、自分は、不注意で、愚かなやつだ。
しかし、後悔しても、もう、遅い。
でも、後悔。 やまだ
2020年11月19日木曜日
バーボン
夢を見た。夢の中で、スコッチウイスキーを呑んでいる。
呑みながら、夢の中で、思い出した。
そうだ、Yさんが持ってきた、バーボンウイスキーのボトルがあったな。
夢の中で、そう思っている。
目が覚めてから、気がついた。
そうだ、Yさんは、もう、いないんだ。
バーボンがまだ少し残っているボトルを置いて、「また呑みにくるから」
そう言って、Yさんは帰った。
でも、Yさんは二度と来られなくなった。
あのバーボンのボトルは、あの時のまま、呑まずに置いてある。
Yさん、気が向いたら、また来てくださいね。いっしょに呑みましょう。 山田
2020年11月10日火曜日
猫
しばしばもわれに虚ろのときありぬうしろにかならず猫が来てゐる
2020年11月9日月曜日
背後
ひとつ気が付いたことがある。
それは、音楽を聞く時に、スピーカーをどこに置くか、と言うことで、
たまたま、ある位置に置いて、仕事をしながら聞いていると、非常に良い。
どういいのか、と尋ねられても、とにかく、いい、としか答えられないが、
まあ、そういうことだ。
で、その、最高のスピーカの位置は、自分の背後、真後ろ。
私の前にあるのは、PCのモニターとキーボード、そして背後にスピーカー。
正確に言うと、「背中の真ん中からまっすぐ後方」、およそ2m50cm。
それより近くても、遠くても、あまり良くない。そう言うことなのだ。
顔
街角に黒き日傘をとぢる指 あなたの顔が思ひ出せない
大西久美子 「イーハトーブの数式」より
2020年11月4日水曜日
風
あの風のことは憶えている、
あのライラックの花も、あの灰色も、あの香りも、
あの歌も、そして、あの風も。
でも、あの天使が言ったことだけは、
どうしても思い出せない。
アレハンドラ・ピサルニクAlejandra Pizarnik(1936~1972) 訳:山田リオ
2020年10月27日火曜日
2020年10月24日土曜日
2020年10月20日火曜日
堅い、そして、
Baguette, バケット、ではない。バゲット、いや、バにアクセントではない、ゲにアクセント。でも、最後のトは、サイレントのT、母音は無し, 舌の先が出す t、という音だけ。何を言ってるんだか。気に入ったバゲットを常に探している。それも、硬いやつ。できれば、皮だけで、中身の柔らかい部分はなくてもいい、いや、ふわふわのパンは、ない方がいい。ああ言うものは、人生には必要ない。そう、硬い、皮だけの、baguette、どこかにないだろうか。でも、それだけではなくて、あの、焼きあがったバゲットの独特の香り、そして、あの、しっかりとした皮の部分を奥歯で何度も噛んで、噛み締めて、また噛んでいったときに出てくる、深い麦と酵母の味が更に大切なわけで、そういうやつにバター、それも無塩バターをつけるか、またはブリーなんかのチーズを乗せて、赤ワインを呑みながら食う。そう言う理想的なパンのある生活。これを、私は、幸福と呼ぼう。
2020年10月15日木曜日
2020年10月14日水曜日
2020年10月13日火曜日
2020年10月8日木曜日
夜明け前
2020年9月27日日曜日
2020年9月23日水曜日
2020年9月16日水曜日
2020年9月13日日曜日
はこべ
私の所有に帰するなにものもあらざれば美しはこべのみどり
2020年9月3日木曜日
2020年8月30日日曜日
渡邊の叔母のこと 再録
■2006/08/19 (土) |
山田リオ
渡邊の叔母のことを書いておこうと思う。
亡くなられてからずいぶん月日が流れたのだが、いまだにこの人は側にいるような気がするのだ。
叔母と言っても、たぶん遠縁の親戚で、詳しいことは、今となってはわからない。
私が小学校に入った頃には、もう七十歳にはなっておられたと思う。
おそらくご自宅での居心地がよくなかったのか、頻繁に訪れて、仏間に座っておられた。話し相手といえば、小学生の私しかいないのである。
したがって、わたしが学校から帰る時間を見計らって訪問されたように思われる。
いつでも、完全無欠の上品な和服、そして羽織、白足袋の足の裏が汚れていたことなど、ただの一度もなかった。
わたしがどういう種類の子供であったのかもよくわかる。つまり、足袋の足裏の汚れなどを気にして見るような子供だったのだろう。
そういう子供だったからこそ、渡邊の叔母はわたしを話し相手に選んだのではないか。
小学校低学年のころから年配の女性の好む「枯れた」話題を一時間でも二時間でも話し合って、かつ退屈することはなかったのだろう。
そればかりか、彼女が決して口にすることはなくとも、どんな思いを抱いてその老後を生きていたのか、わたしは子供ながら心にしみて感じていた。
だからこそ、今になっても、ときどき彼女のことを思い出すのだ。
あの、しゃりしゃりの薄紫の羽織や、灰色の絽の着物の手触りと共に。
2020年8月25日火曜日
2020年8月24日月曜日
2020年8月7日金曜日
2020年8月4日火曜日
2020年7月29日水曜日
2020年7月28日火曜日
Choro Club - CHORO CLUB II
以前書いた、ショーロ・クラブです。
日本人のグループ。
2020年7月19日日曜日
情緒
rio yamada photo |
過去なしに出し抜けに存在する人というものはない。
その人とはその人の過去のことである。
その過去のエキスが情緒である。
だから情緒の総和がその人である。
岡潔(1901〜1978)
2020年7月15日水曜日
2020年7月10日金曜日
木のあいさつ
rio yamada photo |
ある日 木があいさつした
といっても
おじぎしたのでは
ありません
ある日 木が立っていた
というのが
木のあいさつです
そして 木がついに
いっぽんの木であるとき
木はあいさつ
そのものです
ですから 木が
とっくに死んで
枯れてしまっても
木は
あいさつしている
ことになるのです
石原吉郎(1915~1977)
2020年7月4日土曜日
Anat Cohen And Trio Brasileiro 'Murmurando'
またショーロです。
クラリネットのアナット・コーエンとトリオ・ブラジレイロの演奏は、好きなので。
これは、「つぶやき」という曲です。 ヤマダ
2020年7月1日水曜日
2020年6月23日火曜日
2020年6月19日金曜日
TRIO BRASILEIRO - VIBRAÇÕES (Jacob do Bandolim) - Douglas Lora, Dudu Mai...
トリオ・ブラジレイロというグループの演奏するショーロです。
詩から離れてきたようですが、ここでは随分前からブラジルのことを書いています。
ブラジルといえばボサノヴァ、という考えは狭すぎます。
ブラジルには様々な、素晴らしい伝統音楽がありますから。 ヤマダ
2020年6月10日水曜日
いつくしみ
母が己が独り児を命を賭けて護るように、
そのように一切の生きとし生けるものに対しても、
無量の慈しみ(いつくしみ)のこころを起こすべし。
「スッタニパータ」より
ゴータマ・ブッダ(紀元前五世紀)
訳:中村元(1912~1999)
2020年6月7日日曜日
2020年5月31日日曜日
Lilly of the valley
鈴蘭
スズラン
スズランの香りを
香りを
言葉でいうのは
説明するのは
いまは きもちが
どうしようもなくて
考えようとしても
ゴミ屋敷みたいになっていて
スズランは
居場所がないから
だから
見えないように
見えないところに置いた
やまだ
2020年5月23日土曜日
Choro Club
日本では有名なのかもしれませんが、
私は、最近になって出会いました。
ショーロ・クラブというバンド。
日本人で、ブラジル音楽を演奏するグループです。
基本、Choroというブラジルの民族音楽を、
楽器だけで演奏します。
このアルバムはもう廃盤になりました。→
編成は、バンドリン、カヴァキーニョ、(どちらもマンドリンのような絃楽器)、
それにギターなどで演奏しています。
このアルバム以外では、youtubeなどの動画サイトにある、”Cafe Alpha" という曲が好きで、私は偶然この曲を聴いて、ショーロ・クラブに出会いました。
ローマ字読みで「チョロクラブ」という人もいますが、これは間違いです。
ポルトガル語で、ショーロというのが正しい発音です。
この言葉は「泣く」という意味です。
とにかく、今は、よく聴いています。
いつか、メンバーの誰かにお会い出来たらなあ、と思います。
やまだ
2020年5月22日金曜日
2020年5月15日金曜日
2020年4月21日火曜日
2020年4月4日土曜日
花
わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪きゐる見ゆ
微かなる風ある空かさくらばな雪片のごとしばし宙舞ふ
しんしんと頭の底にも陽は差してそこも桜の無惨の白さ
花朽ちて沈みてゆきし野の井戸の無明無限の水深想ふ
河野裕子(1946~2010)
2020年4月3日金曜日
あしたのこと
rio yamada |
ああ
そうだ
そうだよね
きょう どうなるかだって
わからないんだから
あしたのことを しんぱいして
こころを ざわざわさせても
それは まるで むだなこと
あした どうなるか なんて
わかるわけが ないから
こんばん ねるときには
なにも かんがえないで
そのまんま ねむればいい
あしたのことは
あしたのあさ まだいきていたら
そのときに しんぱいしよう
そうしよう
山田リオ
2020年4月1日水曜日
そこをなんとか
rio yamada |
まあ ご多忙でいらっしゃるのは
よくよく分かっているんですが
ここは とにもかくにも
非常に重大な局面でございますので
なんとか ですね
やおよろずの 全員に ご集合いただいて
総力あげて なんとかしていただく
と いうようなことは
お願いできませんでしょうかね・・・
合掌 平身低頭 山田
2020年3月31日火曜日
2020年3月29日日曜日
2020年3月25日水曜日
2020年3月24日火曜日
2020年3月18日水曜日
春
rio yamada |
朝 ウグイスの唄で目をさます
ウグイスは 三日間唄ってから
次の目的地へ 旅立った
静かな朝が 戻ってきた
いつもとおなじ 春の朝
オナガとムクドリは ごゆっくり
陽が昇ってからの ご出勤
シジュウカラも まだ来ない
おだやかで 平和な この時間
鳥獣蟲魚 みんなが待っていた 春
山田リオ
2020年3月16日月曜日
2020年3月11日水曜日
朝食
朝食が楽しみだ。
なぜかというと、パンが好きだから。
ふわふわ、しっとり、もっちり、ではなく、
硬い、固い、堅い、どっしり、しっかりした、
噛んで、噛んで、味が出てくるようなパン。
ゴッホの「ジャガイモ」の絵の農民が食べるような、
ライ麦の味と香りがする、
たくましい、茶色いパン。
朝食に、そういうパンを、
奥歯で、よくよく噛んで食べる。
夜、ベッドに入る時、明日の朝食のパンを思う。
明日の朝食に、あのパンを食べるまでは、
なんとか、生きていたい。
そう願い、祈って、
わたしは眠りに就く。
山田リオ
2020年3月7日土曜日
本牧亭
講釈場すくなくなりし袷かな
(こうしゃくば少なくなりしあわせかな)
増田龍雨(1874~1934)
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本牧亭(ほんもくてい)は、1857年(安政四年)にオープン、1990年に閉場した、東京で最後の講談専門の寄席だった。
上野広小路の交差点から上野公園の方に向かって最初の狭い路地を左に曲がったところにあった。
現在あるトンカツ屋さんの左側、筋向かいの辺りだったと思う。(2020年現在)