今朝はこんな天気なので、
パウリーニョ・ダ・ヴィオラのショーロ・ネグロ(黒のショーロ)を聴いています。
パウリーニョは、マンドリンによく似たカヴァキーニョを演奏しています。
これは、グループ演奏で、1993年の録音らしいです。
Choro Negro-Paulinho da Viola (1993)
自信のない詩人、山田リオが書いた詩、作文など、いろいろです。 Copyright © Rio Yamada. Watermark テンプレート. Powered by Blogger.
不思議に、トランペット奏者で親しかった人は、いないんだけど、
最近、よく聴いているのは、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)が
Bill Evans(ビル・エヴァンス)と演奏している、
「緑色のイルカ通りで」(On green dolphin street)だ。
この日記に掲載した「緑色のイルカ」は、ビル・エヴァンスのピアノソロだけど、
マイルスと一緒にやっているレコーディングも、よく聴く。今日も、これを聴いていた。
トランペットで今日、聴いてみたのはChet Baker(チェット・ベイカー)のトランペットで、
These foolish things (こんなつまらない物たちが)のソロ。
もし、チェットがビルのピアノと共演していたら、どんなだっただろう。
あ、そのあと、Michel Camilo (ミシェル・カミロ)のピアノで、
Caribe (カリブ)も、聴いたんだよ。これは、二回、聴いた。
今日は、風の強い日だった。 やまだ
| ■2009/08/02 (日) |
「今思っていることは、人生にも将棋にも、最善というものはないのだと、
そう思いますね。自分が、一番いい、と思ってやった事が、
それが、人生であって、またそれが、自分自身の人生の最善手だと思いますね。
ですから、やりたいことをやる。ただし、必ず、やりたい事をやった場合は、
相手がすぐに、すかさず、対応してくる。
そこで、また自分が、やりたい事をやる。
一番いけないのは、やりたい事がやれない人生です。
やりたい事がやれない、そういう将棋なんですね。それはつまらないんでね。
それはダメなんですね。
あるいは、教科書通りの人生、
そんなつまらないものはないんでね。」
米長邦雄 (1943-2012)
山田リオ Copyright©2012RioYamada
手術のあと 集中治療室の 青や黄色の光の中で寝ているあいだに
いろいろな夢を見た 時には 誰かが 話しかける声も 聞こえた
ひとつ 覚えている夢は 自分は 空から 野球の球場を見下ろしていて
それは リトルリーグ 少年野球の 小さい球場らしく 観客席もなくて
そこには 野球をしている子供達の姿もない 空っぽの球場があった
ただ 子供達の声が どこか 遠いところから 聞こえていた
ぼくは 少年野球はやったことがない 見に行ったこともなかった
あの夢は なんだったんだろう 見たこともない 小さい球場
空と 雲 遠くから 聞こえてくる 子供達の 声
Cage、檻、鳥籠、
わたしは そんなもの いらない
わたしの 最期のとき
檻の中に閉じ込められたまま 死ぬのは いやだ
わたしは 野生の 自由な鳥や獣が そうするように
わたしの すきな場所に行って
そこで ひとり 自由なまま 最期を迎えたい
それが たったひとつの わたしの願いです
山田リオ
![]() |
| Rio Yamada |
![]() |
| 2007RioYamada photo |
ココから電話があった 昨日の夜カーメルに着いたという
この週末に来られないか という 僕は 多分行けるけど
妻の予定は知らない そう答えた
ココは電話の向こうで 少し しんとしてから
またかけるね そう言って 電話を切った
ジョージは仕事が忙しいから 滅多に一緒に来れない
だからココは カーメルでは一人暮らしが多くなって
ニューヨークに住む僕たちに 来て欲しいわけだ
でも北カリフォルニアは遠い 簡単には行けない
妻が帰ってきて その話をすると 少し考えてから
隣の部屋に行った 考えてみたら 僕は今 暇だし
今年はペブルビーチで 全米オープンゴルフがある
六月になれば混んでいるから 行くのはむずかしい
しばらくして妻が戻ってくる 休みが取れたと言う
明日早朝の便が取れれば 月曜までの小旅行になる
妻はココに電話している 静かな声で話しているが
彼女の心が弾んでいるのがつたわってくる
ニューヨークから サンフランシスコに飛んで
小型機に乗り換え モントレーまでの短い飛行
白っぽい砂漠を越えて 松の多い崖の向こう側
滑走路に着陸すると 遠くの方の建物のところ
ココが手を振っているのが見える
妻とココが一緒にいると 双子のように似ている
二人が一緒にいる時は 他の友達といる時と違い
なぜかいつも 静かな声で ひそひそ 話をする
夕方 海の方から いつものように 霧がやって来る
霧は まず 入り江を満たし 低い所から だんだん
ミルクのように 海を そして陸を 覆い隠して行く
夕食を終えると まず 暖炉の薪に火をつける
この季節でも 夜は かなり冷え込むから
ぼくは暖炉のそばに寝そべって 本を読み始める
すると 珍しく ココが ぼくのとなりに座った
「で、どうなの?」 ぼくの顔を覗き込むように
ココが尋ねる 「すべて順調。」とぼくが答える
ココはぼくを見ているようで 実は透明なぼくを
通り越して その向こうがわを見ている気がする
「もしも、何か・・・」と ココが言う
「もしも、何か?」と ぼくが尋ねる
「あなたとジョージに、」と ココが言い直す
「あなたとジョージにね、もしものことがあったとしても」
ココは 遠くを見つめながら言う
「心配ないからね。」ぼくはだまって聞いていた
「私と彼女と二人で、この家で暮らすんだから。」
ココは そう言ってから立ち上がった
ぼくは 彼女の背中に向かって言った
「それなら、ぼくも安心だよ。」ココは振り向かなかった
翌朝 霧が海の方に帰って行くのを見ながら
ぼくらは 三人で朝食を食べた
朝食が済み 庭に面したヴェランダの日陰で 寝転ぶ
小説の続きを読む 赤ワインにオレンジを絞ってサングリア
庭いっぱいの 色とりどりの花々
ココが 芝生を横切って 音も立てず 花壇のほうに行く
花壇のそばにしゃがんで 一心に花を見つめているようだ
しばらくして 妻もまた 音も立てず 花壇のほうに行く
そしてココの後ろに立つ ココの肩の辺りに影を落として
二人は そんなふうに 無言で 花を見つめている
ぼくは うつらうつらしながら 思っていた
この 涼しい影の中 この寝椅子の上から
そしてこの地上からいつの間にかぼくがいなくなったとしても
あの二人の女性の静かな生活は 何者にも邪魔されることなく
いつまでも 続いていくのだろうか