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2016年5月16日月曜日

安住 敦 ②


雨降ってゐる金魚玉吊りにけり

世にも暑にも寡黙をもって抗しけり

蝉しぐれ子の誕生日なりしかな

また職をさがさねばならず鳥ぐもり

ひやびやと日のさしている石榴かな

鳥渡る終生ひとにつかわれむ

花柳章太郎よりとどきたる切子かな

職替えてみても貧しや冬の蝿

留守に来て子に凧買ってくれしかな

雪の降る町といふ唄ありし忘れたり

             安住 敦(あずみ あつし、1907-1988)

2015年2月12日木曜日

安住 敦 ①

夕ざくら子の手冷たくわが手にあり
 

しぐるるや駅に西口東口
 

小でまりの愁ふる雨となりにけり
 

梅雨の犬で氏も素性もなかりけり
 

あさがほをだまって蒔いてをりしかな
 

鶏頭を水無き壷に挿して忘る
 

蓑虫の出来そこなひの蓑なりけり
 

柿啖へばわがをんな少年のごとし
 

耐へがたきまで蓮枯れてゐたりけり

            安住 敦(あずみ あつし、1907-1988)