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2020年1月7日火曜日

冬の句


遠くまで行く切符なり冬の雲

紙ほどの薄さのこゑの冬鴎

抽斗の闇の矩形の寒さかな

      藤山直樹(1953~)

 (鴎:カモメ 抽斗:ひきだし)

2015年2月13日金曜日

藤山直樹

花の色染みたる脳の朝寝かな

ゆふざくら逢うてたちまち眠るなり

写真焼く焔むらさき春の暮

猫死んで桜月極駐車場

桜餅餡透けて雨兆すなり

思ひ寝のあと草餅のやはらかき

草餅の雨の匂ひのしてゐたり

梅雨寒や高座布団の芯かたき

薔薇切って空気いきなり濃くなりぬ

衰へて明るき脳や葱の花                                        

さびしさや焼蛤の噴きこぼれ                                          


焼飯の卵おだやか海の家

オルガンの音ずれてゐる暑さかな

蝉の穴鬱の極みも過ぎにけり

病む人の爪透きとほるしらが葱

寒鯉に纏はる水の粘りかな

遠くまで行く切符なり冬の雲

紙ほどの薄さのこゑの冬鴎

抽斗の闇の矩形の寒さかな

                      藤山直樹(1953-)

2014年5月13日火曜日

鰍沢

 
突然ですが。
藤山先生っていう、精神分析のほうでは、
非常に偉い先生がいらっしゃるんですが。
実は、この先生が、俳句をなさるん。
で、この俳句てえものが、
ほんっ                                 

とに、上手いん。 
あんまり巧いのもねえ。
ともあれ、藤山先生、わたくしが大好きな現代の俳人であります
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衰へて明るき脳や葱の花                                        

写真焼く焔むらさき春の暮

さびしさや焼蛤の噴きこぼれ
 

梅雨寒や高座布団の芯かたき
 

猫死んで桜月極駐車場
 

桜餅餡透けて雨兆すなり
 

思ひ寝のあと草餅のやはらかき
 

草餅の雨の匂ひのしてゐたり

遠くまで行く切符なり冬の雲

紙ほどの薄さのこゑの冬鴎
 

抽斗の闇の矩形の寒さかな
                      藤山直樹
冬鴎(ふゆかもめ)
抽斗(ひきだし)    高座布団(こうざぶとん。寄席の高座で使う座布団)
鰍沢(かじかざわ)

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ところで、話変わりますが、
気がついたんですがね。
小林秀雄先生の講演の録音を聞いていてね、
あっ、と思ったん。
これ、志ん生じゃないの。
おんなじ声だよ。この二人。
秀雄と古今亭。
江戸弁もいっしょ。
いや、べつに、だからなんだってわけじゃないんですが。
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