2020年10月8日木曜日

夜明け前

眠れないまま明け方になって、ベッドの中でラジオを聴いていた。
 柳田邦男という人が、絵本のことを話していた。 
それを聴きながら、いろいろなことを思った。
 柳田さんが話した「星の王子さま」のこと、 
それから、なぜか、遠藤周作の「深い河」のこと。 
様々な出会いのこと、
そして、亡くなった叔父のことを思い出した。 
薔薇と盆栽を育てるのが好きだった叔父。 
小さい頃、母子家庭だった僕を、夏休みの間、
叔父の親戚の、海のそばの家にずっと泊まらせてくれたこと。 
大学生の時に、僕が大きな決断をする際、
非常に強い口調で、僕の決断を支持してくれたこと。 
後にも先にも、彼が、そういう真面目な話をしたのはその時だけだった。 
夜明け前のベッドの中で、その時のことを思い出していた。                         山田リオ
rio yamada photo

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