そういえば食事の時間だ。
というわけで、アーモンドを持って外に出た。
見渡しても、どこにもいない。
垣根の上に両肘を置いて、
「ちっちっち」と呼んでみた。
しばらくして、突然、なにか毛深いものがぼくの身体を登ってくる。
足からわき腹を通って、わきの下から首のところをぬけて、
数センチの距離で、眼と眼を見つめあう。
アーモンドを二つ、口に入れると、
あっという間に、オレンジの木の上に消えた。
なれなれしさと、野生。
理想的な隣人だ。
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