2018年9月26日水曜日

©RioYamada

at 2004 04/18 06:40 編集

                         山田リオ

渚に佇んで
遠くをみている
波は
つぎからつぎに
水平線のほうからやってきて
盛り上がり泡立ち崩れ落ち砕ける
でも
あの波は
わたしが待っている
波ではない
どの波が
それなのか
ずっと
待っているその波は
どの波なのかは
よくわからない
でも
それは
あの波でもなく
その次の波でもなくて
それは
こうやって渚に死ぬまで佇んでいても
永久にやってこない波なのかも知れない
しかし
ある日
水平線のほうから
それは
奇跡のように
輝きながらやってきて
盛り上がり反射し散乱し透き通り
泡立ち崩れ落ち砕けるだろう
そしてその波が
まさに
わたしが待っているはずの
あの波であったとしても
それで
どうなるというのか
わからない
でも
生きているかぎり
渚に佇み
はるか遠い水平線のほうを見て
押し寄せてくる波を見て
あの波が
まっていたなつかしいあの波が
渚めがけて
押し寄せ輝き
そして崩れ落ちる日を
ただ
今日も
じっと
佇んで
待っていよう
 

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