2018年9月30日日曜日

空気

リュート

もちろん 夜
ひっくり返された リュートの
一本の弦 わたしは わたしの道を行く
それは 耳慣れない音がする

こちらに 埃 むこうにも 埃が 

わたしは その両方を 聴く 
でも そのまま 進む 
わたしは 思い出す 木の葉たちが 審判を
そして 冬を待っていたのを

わたしは 思い出す 雨と その いくつもの道を
雨は その 全ての道を 辿る
どこにもない 道を

    W.S.マーウィン(1927-) 訳:山田リオ


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