2018年5月30日水曜日

八木 重吉 ④

悲しみ

かなしみと
わたしと
足をからませて たどたどとゆく

草をむしる

草をむしれば
あたりが かるくなってくる
わたしが
草をむしっているだけになってくる

雨の日

雨が すきか
わたしはすきだ
うたを うたおう



虫が鳴いてる
いま ないておかなければ
もう駄目だというふうに鳴いてる
しぜんと
涙がさそわれる

水や草は いい方方である

はつ夏の
さむいひかげに田圃がある
そのまわりに
ちさい ながれがある
草が 水のそばにはえてる
みいんな いいかたがたばかりだ
わたしみたいなものは
顔がなくなるようなきがした



雨は土をうるおしてゆく
雨というもののそばにしゃがんで
雨のすることをみていたい

                        八木 重吉(1898 - 1927)

2018年5月7日月曜日

万太郎


東京に江戸のまことのしぐれかな

何がうそでなにがほんとの露まろぶ

ぬけうらを抜けうらをゆく日傘かな

おもかげをしのぶ六日のあやめかな

こしかたのゆめまぼろしの花野かな

一生を悔いてせんなき端居かな

余命いくばくもなき昼寝むさぼれり

すべては去りぬとしぐるる芝生みて眠る

           久保田万太郎(1889-1963)

2018年5月4日金曜日

よかったら

川口有美子さんの、
難病ALSについてのラジオ対談番組の録音を
「おきにいり」に掲載しましたので、
よかったら聴いてみてください。     やまだ

2018年5月3日木曜日

ねむい

         山田リオ   
風の強い晩に
永い間 沈黙していたアレが
いきなり また 話し始めた
なぜかは しらない
ただ ねむい

2018年4月30日月曜日

なにもしないで

Do Nothin' Till You Hear from Me
(わたしが言うまでなにもしないで)

歌:エラ・フィッツジェラルド
テナーサックス:ベン・ウェブスター
ヴァイオリン:スタッフ・スミス
1956年録音

ベンはいろいろ聞いたけど、これが一番好き。
スタッフ・スミスは、ぼくがNYハーレムのジャズ学校に行ってたときに、
だれかが教えてくれた。今でも大好きなヴァイオリニスト。

2018年4月22日日曜日

狂う


・・・そしてわたしは一生の間、
わたしが惹かれた人たちの後を追いかけて、
酔っぱらいみたいに、よろよろ歩きながら生きてきた。
わたしが惹かれたのは、狂った人たちだった。
狂ったように生き、狂ったように語り、
狂ったように救いを求め、すべてを飢えたように願い、
同時に、そのひとたちは、けっしてあくびなんかしないし、
みんなが言うようなことは絶対に言わない。
ただ、燃える、燃える、燃える、燃える、
ローマ時代の黄色いロウソクが
宇宙にむかって爆発するように・・・
      ジャック・ケルアック(1922 – 1969)
      訳:山田リオ  

2018年4月21日土曜日

Orchid


少なくとも五年ほど 葉っぱだけで
なんだかわからず
ほったらかしておいたのですが
気がついたら 先日 
花が咲いていました
大きな花
蘭 だということはわかります
何という蘭かは 知りません
             やまだ

2018年4月17日火曜日

おやすみ

 「人生は、喜びに溢れた悲劇だ」 
           バーナード・マラマッド(ユダヤ系アメリカ人)

**********************
 体調がイマイチなので、しばらくお休みします。
まだ生きているので、だいじょぶです
                 やまだ

2018年4月15日日曜日

夜の雨 2004

2004/11/22 ()

今晩は雨ですので、特別に掲載しました)

 今晩は雨で、さっき、外を見たらまだちゃんと雨が降っているので、非常に心が落ち着きます、そして雨がうれしくて眠る気にならないので、もうしばらく起きていることにします。

 損と得、ほめられるのと悪口言われること、楽しいことと苦しいこと、好きと嫌い、嬉しいのとイヤナの、全てのことには両方があって、でも、どれもがずっと変わらずにあるのではなくて、全部がかならず変わります、全部がかならず消えます、なくなります。

いいことも悪いことも、体も心も、それ以外のすべて、なにもかも、あらゆることも、あらゆる物も、すべてが、いつかかならず変化し、消えてなくなります。

今生になにも願わず、執着せず、そして来世なんてものにも期待せず、望まず、自分にも他人にも誰にも、何一つ望まず、ただ生きて、そして死んでゆく。
そういうふうになたら、なんてことを考えています。    
                        
                       
■2004/11/22 (月)  Copyright ©2004RioYamada     

 山田リオ

電気の消えた部屋の
窓の外からは
雨の降る音が聞こえてくる
あたたかいベッドの中に横たわって
雨の降る音を聞いている
それは
無数の雨粒が
空の高いところから落下してきて
それぞれの粒が
屋根土石植物水家ガラス
いろんなものの上に落ちて
そしてそれぞれが雨粒から
水というかたちに戻る音なのだが

そうやって聞いていると
わたしが
野の獣や鳥になったような気持ちがする
なんとかして濡れないように
暗い夜のなかで
それぞれの場所でうずくまって
生きようと
朝の光を震えながら待っている
朝が来て
まだ生きていれば
夜の間に降ったきれいな水を飲むことだってできる

あたたかいベッドのなかに横たわって
雨の音を聞いていると
いつかホームレスになる日のことを
想像する
ホームレスになったら
やっぱり
野の獣や鳥のように
真っ暗な空を見上げ
とこか安全なやさしい樹木の陰で
雨に濡れてうずくまり
自分を抱きしめながら
朝が来ることを祈るんだろう
そして朝がきたら
木の葉なんかにたまった雨水を飲んで
陽光に光る梢を見上げながら
なにかに
朝まで生きられたことを
感謝するんだろう
  
                                             Copyright ©2004RioYamada

 

"Night Rain"    Rio Yamada
                   
From outside the windows
Of this dark, quiet room
I can hear the sound of falling rain

Lying on the warm bed
Listening to the sound of the falling rain
The sound of countless raindrops
Falling from a very high place in the sky
After traveling a vast distance and then

Each drop will hit various things on earth
Such as roof, soil, stone, plant, water or glass
Then, all going back to the original form of water

As I listen, lying in the warm bed
I feel as if I became a wild animal or a bird
Trying not to get wet, crouching 
Trying to stay alive, waiting all night 
And if and when the morning comes, and if I am still alive
I might be able to even drink clear rain water

As I keep on listening to the sound of the falling rain
I imagine the day that I will become homeless
And if I become a homeless 
I will probably find a safe place under a kind tree
Still getting wet, but crouching and hugging myself
Praying for the morning to come  

If the morning really comes
I will maybe lick water off wet tree leaves
Looking up to the treetops glistening in morning sunlight
I shall probably thank something
For being able to have lived
Through the night rain.
                               Copyright ©2004RioYamada
 

2018年4月12日木曜日

若葉


花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ

               杉田久(1890-1946)


2018年4月2日月曜日

なにもしないで

Do Nothin' Till You Hear from Me
(わたしが言うまでなにもしないで)

歌:エラ・フィッツジェラルド
テナーサックス:ベン・ウェブスター
ヴァイオリン:スタッフ・スミス
1956年録音


詩日記: 葉桜

詩日記: 葉桜

2018年3月25日日曜日

西行



Copyright © 2018Rio Yamada
わきて見ん老木は花もあはれなり
今いくたびか春にあふべき

たぐひなき思ひいではの桜かな
薄紅の花のにほひは

                     西行

           老木(おいき)     
           薄紅(うすくれなゐ)

2018年3月23日金曜日

勝利 再掲載

■2006/02/09 (木) Vitoriosa

Vitoriosa
                  Vitor Martins

ブラジル現代の詩人、ヴィトル・マルティンスの詩、「勝利」です。
この詩には、イヴァン・リンスが曲を書き、歌い、CDアルバム「CANTANDO HISTORIAS」に入っています。
でも、日本語訳では、美しいブラジルの言葉の響きが、すべて失われてしまうのが残念です。
どんな詩でも、詩は、戯曲と同じように、できれば原語で、声に出して読んで、初めて意味を持つものなんだと思います。

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「勝利」  
         ヴィトル・マルティンス、訳:山田リオ

あなたの、気持ちのよい笑い声が欲しい
あなたは、それをどうやって見つけたのか
そう、人生は、素晴らしい物であるはずだ
人生は、素晴らしい物であるはずだ

あなたの、めちゃくちゃな明るさが欲しい
何一つ持っていないことが、勝利だ
それを学ぶことの苦痛も、喜びも

あなたが持つ、わずかな純潔が欲しい
あなたが持つ、狂気の自由が欲しい
過ぎ去って行くことへの、強い意志が欲しい
あなたの限界と
そして、あなたが行ったあとに残された航跡が
欲しい

(All rights reserved 、2006Rio Yamada
このHPの全ての記事は著作権法によってコピー、転載を禁止されています。)

2018年3月21日水曜日

西行


なにとなく春になりぬと聞く日より
心にかかるみ吉野の山
                    西行法師

2018年3月6日火曜日

These Foolish Things

「こんなつまらない物たちが」  
         歌詞:エリック・マシュウィッツ(1901 –  1969、英国)
                         訳:山田リオ     

もう ひとりにしてほしい
わたしを自由にしてほしい
私達をつなぎ止めていたものは
今もまだ 二人のまわりにあって
わたしには 出口が見えない
あんな小さな つまらない物たちが
今もわたしに 幸せや痛みを与える

口紅の付いたタバコの吸い殻
どこか素敵な場所へ行く航空券
そしていまも私の心には翼があって
こんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる

隣のアパートから聞こえてくる ピアノの音
切れ切れの言葉でにあなたに伝えた わたしの気持ち
公園の ペンキを塗ったブランコ
そんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる

あの日あなたはやって来て わたしを征服した
そのとき わたしは運命のことを思った
三月の風が わたしの心をダンサーに変えた
電話が鳴る でも今は 誰も答えない
あなたの幻は まだ消えないで
こんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる

早咲きの水仙の花 長文の心躍る電報
小さなコーナーテーブルの ロウソクの炎
そして今でも わたしの心には翼があって
こんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる 

教会の鐘が聞こえていた 夕暮れの公園
カモメが群れていた セーヌの川岸
美しかった春
そんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる

なんて不思議 なんて素敵
いまこんなふうにあなたに会えるのは
わたしをやさしい気持ちにしてくれる
わたしの大切な物たちが
あなたをそばに連れてきてくれる

からっぽの夜更けの駅で聞いた
機関車の蒸気の音
ダンスパーティーの招待状のそばに
脱がれたままの 絹のストッキング
ああ あなたの幽霊は今もわたしを離れない
こんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させてくれる

枕のあたりに漂っていた くちなし香水の香り
1キロでたった7フランだった野イチゴ
そして今も 私の心には翼があって
こんなつまらない物たちが
わたしにあなたを思い出させる

グレタ・ガルボの微笑みと 薔薇の香り
夜更けにバーが閉まる時の ウェイターの口笛
ビング・クロスビーが歌う あの歌 
そんなつまらない物たちが
あなたを思い出させてくれる

なんて不思議 なんて素敵
いまこんなふうにあなたに会えるのは
わたしをやさしい気持ちにしてくれる
わたしの大切な物たちが
あなたをそばに連れてきてくれる

焚火でくすぶっていた枯葉の匂い 蒸気船の汽笛
 通りを行く恋人たちが 夢見るように歩いて行った
ああ あなたの幽霊は 今もわたしを離れない
こんなつまらない物たちが
あなたを思い出させてくれるCopyright © 2004Rio Yamada

2018年3月3日土曜日

万太郎



久方の空いろの毛糸編んでをり

門の辺の八つ手の霜をおもふかな

しろきものおちて来りぬ去年今年  去年(こぞ)

うつぶせにねるくせつきし昼寝かな

枯野はも縁の下までつづきをり

煮大根を煮かへす孤独地獄なれ

たましひの抜けしとはこれ、寒さかな

雨凍てて来るものつひに来しおもひ

死んでゆくものうらやまし冬ごもり

何おもふ梅のしろさになにおもふ

一生を悔いてせんなき端居かな   端居(はしゐ)

すべては去りぬとしぐるる芝生みて眠る

世に生くるかぎりの苦ぞも蝶生る

冬ごもり閉じてはあける目なりけり

さがす人ここにも見えず走馬灯

こしかたのゆめまぼろしの花野かな   こしかた(来し方)

                    久保田万太郎

2018年2月22日木曜日

言いわけ


「生きてるうちは、まだ、言いわけ出来るんで。
死んじまったら、もう、言いわけ出来ないん。」
                              三代目 柳家 権太楼

2018年2月1日木曜日

憂春


「ここからはひとりで行くわ」あの夏のわたしは誰に言つたのでせう

                                                                       小島ゆかり(1956~)

2018年1月29日月曜日

2018年1月26日金曜日

「インフルエンザ大流行、患者数283万人、過去最多」(1月26日)
というニュースは、自分にとっては怖ろしい。
病気のせいで、感染症に対する抵抗力が極端に弱い。
だから、オソレオノノイテいる。
あれやこれやに祈りながら、日々、暮らしているが、
今のところは、まだ生きているようだ。

明日のことはわからない。わたしも生き物だから。
 
 

2018年1月21日日曜日

2018年1月9日火曜日

冬梅



 冬梅のひとつふたつや鳥の声
 
           服部土芳(1657-1730)

2018年1月7日日曜日

手がつめたくて

          山田リオ 
手がつめたいので
しばらくのあいだ お湯につけておく
でも すぐにまた つめたくなる
カシミアのてぶくろをはめて
カイロを 両方のてのひらにいれる
それでも つめたいので
手の甲の側にも カイロをいれる
それでも まだ つめたくて
湯たんぽに 熱いお湯を入れ
その湯たんぽを ひざの上にのせ
両方の手を 押しつけていると
すこしだけ あたたかくなるけれど
それだと キーボードを打てないし
マウスを使うのも ペンをもつのも 
つめたいので できれば避けたい
歩きまわったり でかけたりすると
手がつめたくて つめたくて
なにも 考えられない
寝る前に お風呂に入ると
しばらくのあいだ 手があたたかくなって
そのまま ベッドに直行して
湯たんぽをかかえる
暖房が好きではないから つめたい部屋で
ふとんのなかで 湯たんぽを抱いて眠る
あさになって 朝食をいただくときは
手がつめたくて こまるので
熱いコーヒーカップに 手を押しつける

いまこうして キーボードにむかって
ああ 手が冷たいなあ と
そればかり 気になって
ほかのことは 考えられない
手がつめたくて
手がつめたくて
また一日が 過ぎていく

2018年1月1日月曜日

太陽

今年のお正月も 晴れているなあ
Copyright©2000RioYamada
風もなく 静かな朝
雪の正月 なんて 思い出せない 
うんと時を遡らないと 子供のころとか

梅の花は満開を過ぎて 大部分は散った
いまは ひからびた白い花の残骸が

ずっとむかしに描いた 
太陽の絵をのせました

やまだ



2017年12月29日金曜日

夜明け 2008 あれから十年 

■2008/01/04 (金) 夜明け

Novo Alvorecer (ブラジル)

「夜明け」     詩:D.イヴォニ・ララウ 訳:山田リオ
      
見てごらん 花が燃え立つ
一日が始まるとき
痛みは消え 希望が生まれる
一晩の疲労と不安に
美しいものが とってかわる
海は唄い 潮が満ちてくる
それは 悲しみのように
わたしの魂を 呑みこむ

わたしは答を求め 歌う
悲しみのなかで 目を覚ましてはいけない
幸福にみたされ 目を覚まそう
やさしい歌はいつも 夜明けの方からやってくる
けっして 真夜中の 痛ましい叫びの方からではない
夜明けの色は やわらかい
夜明けの色は 自由の色
夜明けは 魂の安らぐ場所

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サンバ・カンサオン、「歌うサンバ」の詩です。

サンバは、宗教的な内容、それと愛国的な内容が多いのです。
ですから、ただ踊り騒ぐだけかのように見えるカルナヴァウ(カーニヴァル)のサンバも、
その歌詞には「わたしたちの主(しゅ)」「主と聖霊と」などの言葉が頻繁に現れます。
カーニヴァルは、日本人には馴染みがないでしょうが、つまりはキリスト教の祭りなのです。
一方で、またサンバには、愛や生活といった、叙情的な内容のものも多いのです。

2017年12月25日月曜日

fuel


今日は 
勇気が
ガス欠です

白梅は あれからつぎつぎに咲いています
お正月まえに満開になっちゃうかも


2017年12月23日土曜日


わたしは、グループの人たちに向かって話すのが嫌い。
わたしが話すときは、いつも、一人の人とだけ話したい。
     

                            シルヴィア・プラス(1932-1963)