2011年5月10日火曜日

可楽

■2011/04/19 (火) 言葉が生まれるとき

「言葉が生まれるとき」            山田りお

しずかに。
今、この人の中で、なにかが動き始めている
この人の内側で、形を得ようとして、かすかに蠢くもの
そして、この人の唇から、言葉が生まれようとする

誰かの言ったことを繰り返す、物まねではない
みんなが何度も言った、手垢のついた言葉は、汚れている
それを得意そうに言う、オウムのような人の声に、その表情に、
命の輝きなんか、ありはしない。

この人は、みんなから尊敬されるような人ではない
たくさんの本を読み、叡智を蓄えたわけでもない
まわりを見回したり、批評したり、流行を追いかける余裕もなく
長い道のりを、ひとり懸命に歩いてきた、そういう人だ

でも、今このとき、この人の内側に、
ほんとうにあったものが少しずつ形をとり、
やがて、それが言葉になり、生まれ出ようしている時
人は、あんなに美しい表情になるんだ
聞くがいい。いま生まれ出る、この人だけの言葉を。

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■2011/04/12 (火) 命どぅ宝

命どぅ宝。ぬちどぅたから。
お金でもない。地位でもない。

■2011/04/04 (月) アチェベ

「私たちが経験によって学んだ唯一のことは、『私たちは経験から何一つ学ばない』ということだ。」

チヌア・アチェベ(1930年生まれ)は、ナイジェリアの詩人、小説家。

■2011/04/02 (土) 一部抜粋ですが・・

谷川の岸に小さな学校がありました。
 教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。
運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗の木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴く岩穴もあったのです。
 さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。


■2011/04/01 (金) 可楽

*海棠や悩みなき日のつづきけり

夕月や青田をわたる風の色

片耳はコオロギに貸す枕かな

枯蓮に師走の水の動かざる

さりながら死にたくもなし年の暮
                   七代目三笑亭可楽

                      海棠(かいどう)

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