杉田久女
娘がいねば夕餉もひとり花の雨
(こがいねばゆうげもひとりはなのあめ)
花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ
(はなごろもぬぐやまつわるひもいろいろ)
朝顔や濁り初めたる市の空
(あさがおやにごりそめたるいちのそら)
露草や飯吹くまでの門歩き (つゆくさやいいふくまでのかどあるき)
船板に東風の旗かげ飛びにけり (ふないたにこちのはたかげとびにけり)
鳥雲にわれは明日たつ筑紫かな (とりくもにわれはあすたつちくしかな)
谺して山ほととぎすほしいまま (こだましてやまほととぎすほしいまま)
杉田久(1890-1946)
引越し第一回の記事に、杉田ひさを選びました。
この女性の波乱の生涯については、吉屋信子の「底の抜けた柄杓」という伝記があります。
また、戸板康二も「泣きどころ人物誌」という評伝で取り上げています。 やまだ
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