ほんの数人のひとたちが 心から「いいね」と言ってくれるとき
あなたは 自信を持っていい
それこそが いちばん信頼できる判断基準だからね
ヤマダ
■2009/04/29 (水) 靴の話
山田リオ
■2009/04/29 (水) 靴の話(その2) |
by 山田 リオ12/16/2003
■2004/11/19 (金) 死刑
「死刑」山田リオ
グレープフルーツジュースはグラスからあふれ
オレンジ色のコンヴァーティブルは
海岸道路を 西に向かって 時速80マイルで疾走し
バットが硬球を真芯で捉え ボールは空に消えて行き
つまりすべては異常なし 特筆すべき変化もなく
純白のヨットの帆が 水平線に向かって遠ざかり
波の音が聞こえる午後二時の太陽は予定通りに運行し
ボーイングが発進する ジェットエンジンの音
エレキギターの ベースの ドラムセットの音
冷蔵庫の 扉が閉まる音 食洗機が終了する音
トイレのドアが閉まる音 水が勝手に流れる音
卵が割れる音 ワインを注ぐ音 ケチャップを絞る音
コンニャクを踏む音 ポテトを揚げる音
人間が物を食う音 飲む音 話す声 笑う声 叫ぶ声 泣く声
鼻をかむ音 くしゃみの音 咳の音 歯を磨く音 うがいの音
すべての人間が呼吸する音 すべての人間と動物が生きている
音 なんとかして 今日を生き延びようとしている 音
この美しい惑星が あらゆる物を乗せて 自転しながら
宇宙空間を移動していく
音 が Copyright ©2004RioYamada
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山田リオ
あの街では もうすぐ ジャカランダが咲く
あの頃 好きな珈琲を呑みに あの店に通った
あの国の人たちは 濃くて甘い珈琲を呑む
そしてみんな 珈琲を呑み チェスをした
「後ろを振り返らず 前だけを見て進め」と 人は言う
何かを思い出す それは良くないことなのか
もう会えない 誰かのことを 思い出すこと
立ち止まって 過ぎ去った時を 振り返る
それは ほんとうに 悪いことなのか
日本に帰ってから ジャカランダの苗を植えた
ジャカランダの紫の花は まだ咲かない
あの珈琲と 同じ味の珈琲を出す店は
探して見たけれど まだ 見つからない
もう 二度と会えない あの友人の笑い声
紫の花の下を歩いた 曇りの五月
世界は なつかしさで 溢れている Copyright ©2024RioYamada
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■2004/11/30 (火)
そのホームレスの男に会ったのは
ニューヨーク マンハッタンの
ずっと下の方の 東側 道も狭い
豪華でも 美しくもない 一角
そういう街のコーヒーショップで
わたしは コーヒーを飲んだり
雑用や 書き物なんかをしながら
午後の数時間をすごした
彼は コーヒーショップのすぐそば
歩道のすみっこに 彼の全財産である
襤褸包みといっしょに 住んでいた
つまり そこが 彼の住所だった
先週の ニューヨークタイムス
ヘミングウェイの 小説
彼は いつも 何かを読んでいた
彼と私は いつも 何も言わなくても
二人だけの暗号を 目と目で交わした
そう 彼と私は 同類だったんだ
彼が死んだ日
ニューヨーク市のトラックがやってきて
彼を襤褸包みといっしょに運んでいった
きれいになった 日暮れの舗装道路の上
貧しい人もそうでない人も そこに立ち
お互いに 話したこともない隣人たちが
みんな それぞれ ロウソクを灯して
昨日まで そこに住んでいた
あの ホームレスの男のための
ロウソクの炎が 夜風にゆれているのを
最後の一本が消えてしまうまで
見つめていた Copyright ©2004RioYamada
■2005/08/13 (土) SAD GUITAR