2016年6月24日金曜日
いぬのおまわりさん
さとうよしみ作詞・大中恩作曲
まいごのまいごの こねこちゃん
あなたのおうちは どこですか
おうちをきいても わからない
なまえをきいても わからない
ニャンニャン ニャニャン
ニャンニャン ニャニャン
ないてばかりいる こねこちゃん
いぬのおまわりさん こまってしまって
ワンワンワワン ワンワンワワン
まいごのまいごの こねこちゃん
このこのおうちは どこですか
からすにきいても わからない
すずめにきいても わからない
ニャンニャン ニャニャン
ニャンニャン ニャニャン
ないてばかりいる こねこちゃん
いぬのおまわりさん こまってしまって
ワンワンワワン ワンワンワワン
2016年6月22日水曜日
2016年6月6日月曜日
2016年6月2日木曜日
かふぇ・こん・れちぇ 2000
きみは 神様から跳び蹴りをもらったことがある?
ぼくは あるんだ
あのときは 気がつかなかったんだけど
あとで思ったら あのときの あれって
きっと 飛び蹴りだったんだな と思う
ずっとまえ 二月の 雪の降る日暮れ
ぼくは マンハッタン島の先っぽの
雪の積もり始めた道を 歩いていた
その時 ぼくはたぶん 小さかったころの
あの冬のことを 思い出していたんだろう
あの日 いじめられたぼくは 今みたいに
雪じゃなくて 雨が降る夕暮れの街を
口の中で なにか言いながら歩いていた
あの日 頭の中でぐるぐる考えていたことを
今も同じように ぐるぐるぐるぐる考えながら
雪の道を歩いていると 今 歩いているのは
大人になった自分で そのなさけない自分を
ぼくは 許すことができなくて
それは ずっと 変わらなくて
ずいぶん歩いてから思った 寒い
雪は さっきよりも激しくなっていて
ぼくは 小さい 古い 食堂の
湯気で曇った ガラス窓の前にいて
店の中は 明るくて 暖かそうだった
何かに背中を押されて 店の中に入る
脂で汚れたカウンター テーブルが二つ
目に前の カウンターの椅子に腰掛ける
湯気の中から現れた 大きな人 それは
中南米のオーラを放つ 「母」だった
「母」は でっかい声でぼくに言った
「スープ!?」
ぼくは 小さい声で答えた 「すーぷ。」
黙って スープを待っていると
少しだけ 手指が暖まってくる
あっという間に「母」は 戻ってきた
スープ皿に 盛り上がっている「スープ」が
大きな手で カウンターに置かれる
それは 溶けかかったジャガイモ 玉ネギ
ニンジン 肉が 骨から離れ始めた 鶏肉
それらが 皿に溢れ 湯気を上げている
中南米の労働者が 米飯と食べる 食事
飯を スープに入れ 肉や芋と飯を混ぜ
黙って 喰う
砂漠を彷徨ったあげく 生還した人のように
ぼくは スープを喰った
食べ終わって 一息つく 体があたたまって
汗といっしょに 少し 涙も流れていたので
紙ナプキンで拭いて 冷たい水を呑む
身体の奥の方に 力が戻ってきている
跳び蹴りのダメージから回復してきたのだ
その時 ぼくは思った
「カフェ・コン・レチェが飲みたい。」
カフェ・コン・レチェ それは
鼻と 舌と 胃袋に 強烈に響く あれ
中南米が世界に誇る 濃厚なコーヒーに
脂肪分の多い 熱々のミルクを合わせた
あの カフェ・コン・レチェの力があれば
きっと ぼくはまた 立ち上がって戦える
そう思った時 「母」が再び カウンターの向こうに現れて
でっかい声でぼくに言った。「カフェ・コン・レチェ?!」
ぼくは でっかい声で答えた。 「かふぇ・こん・れちぇ!」
2016年5月27日金曜日
山崎方代 ②
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| ©2016RioYamada |
あきらめは天辺の禿のみならず屋台の隅で飲んでいる
まっ黒いさくらの花がぽたぽたと散りあらそへり瞳(め)は盲いてゆく
なるようになってしもうたようである穴がせまくて引き返せない
新聞紙に腰をおろしてからっぽの頭の先を陽に干している
人間はかくの如くにかなしくてあとふりむけば物落ちている
鬼のようにしゃがんでいるとまた一つ銀杏の実が土を鳴らせり
もう何も申し上げません夜は早く灯を消して眠るにしかず
こともなくわが指先につぶされしこの赤蟻の死はすばらしい
耳もとでささやいているずっしりと小屋を囲んで雪が止んでいる
日が昇って来るなりこくいっこくのせまり来る死ぞ
山崎方代(1914-1985)
2016年5月16日月曜日
2016年5月6日金曜日
2016年4月29日金曜日
2016年4月12日火曜日
ホームレス短歌、川柳
テント小屋冬はそのまま冷蔵庫捨て弁当も腐りません
坪内政夫
途方もなく空広かりきリュック背負い ホームレスの道踏み出ししとき
言ひ値にて雑誌を売りて得たる金三日の命を養ふに足る
宇堂健吉
説教と引き換へに配るパンならば生きる為には説教を聞く
名も知らぬブラジル人のその後を想ひて今朝の寒さに耐へる
親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす
公田耕一
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食べ物の賞味期限は舌に聞け
年賀状住所無き身に届かない
公園の闇夜で一人忘年会
パンの耳鳩にやるなら俺にくれ
アルミ缶空を集めて中身買う
プレゼント応募したいが住所なし
春の夜は同じ寝床の猫元気
寝袋に花びら一つ春の使者
お茶一本水で薄めて五本分
炊き出しで嫌いなものが好きになる
(ビッグイシューより)
2016年4月9日土曜日
2016年4月7日木曜日
2016年4月1日金曜日
2016年3月28日月曜日
2016年3月26日土曜日
2016年3月22日火曜日
花冷え
花冷えの雨のひときは濡らすもの
花冷えの閉めてしんかんたる障子
花冷えのみつばのかくしわさびかな
花冷えのうつだけの手はうちにけり
花冷えのうどとくわゐの煮ものかな
万太郎
やすらへば手の冷たさや花の中
岡本松浜
命二つの中に生きたる桜かな
さまざまのこと思い出す桜かな
芭蕉
2016年3月20日日曜日
2016年3月19日土曜日
リスのこと
リスちゃんと仲良くしていた頃の写真です。アマンダ・レモンツリーという名前をつけていました。
メスのリスです。
子育ての時期だけはいなくなって、
それが済めば、何もなかったように帰ってきます。
まったく物怖じしないというか、
信頼されていたようです。
黙っていると、どんどん家の中に入ってきます。
野性の獣なので、きっちり線引きして、
「そこまで。」と言えば、
ちゃんとわかって、それ以上は入りません。
アーモンドを食べたら、帰ります。
ぼくの身体に登ってくるし、
外を歩けば、並んで歩くし。
なんだったんだろう、あのリスは。
今となっては、あまりにも遠い。
彼女、元気なのかな・・
PSこのリスの記事は、ほかにもたくさんあります。
2016年3月16日水曜日
苦しむ、でも死なない
Agoniza Mas Não Morre
Nelson Sargento(1924~) 訳:山田リオCopyright ©2016RioYamada
サンバは苦しむ
でも死なない
最後の息が止まるまえに
だれかがいつも
サンバを救う
サンバは黒くて、強い
サンバは怖れない
街角で、酒場で、裏庭で
サンバは激しい迫害を受けた
サンバは純粋で
しっかり土に根を張っている
サンバは高貴な隣人だ
サンバは抱きしめる
サンバは包み込む
社会のかたちが変わり
ほかの文化が押し付けられても
サンバは
気にもしなかった
サンバは苦しむ
でも死なない
最後の息が止まるまえに
だれかが
かならず
サンバを救う
2016年3月10日木曜日
3・11
あの日 3・11短歌
この海が いつもと違う顔をして
町中のみこみ 静かに去った 新妻愛美
黒い波 夫 手を離しのまれゆき
私はワタシは ムンクになった
あまりにも よく似た人を追いかけて
いつまで続く この寂しさは 山崎節子
あの道も あの角もなし 閖上一丁目
あの窓もなし あの庭もなし
生と死を 分けたのは何 いくたびも
問いて見上げる三日目の月
かなしみの 遠浅をわれはゆくごとし
十一日の度(たび)の冷たさ
「届かなかった声がいくつもこの下に
あるのだ」 瓦礫を叩くわが声 斉藤梢
寂しげに繋ぎおかれしわが犬を
はなしてやりぬ 生きのびろよと 半谷八重子
差し込まむ 穴無き鍵の捨てられず
流されし家の玄関のカギ
遺体写真 二百枚見て水を飲む
喉音たてずに ただゆっくりと 佐藤成晃
鍵をかけ 箱にしまったあの頃を
掌で包み 生きるこれから 渡邊穂
いつ爆ぜむ青白き光深く秘め
原子炉六基の白亜連なる
廃棄物は地元で処理だ? ふざけるな
最終処分場にされてたまるか 佐藤祐偵
ひるがえる 悲しみはあり三年の
海、空、山なみ ふるさとは 青
ふるさとを 失いつつあるわれが今
歌わなければ 誰が歌うのか 三原由紀子
2016年3月5日土曜日
2016年2月28日日曜日
2016年2月18日木曜日
尾形亀之助 ⑤
雨の祭日
雨が降ると
街はセメントの匂ひが漂ふ
雨が降る
夜の雨は音をたてゝ降つてゐる
外は暗いだらう
窓を開けても雨は止むまい
部屋の中は内から窓を閉ざしてゐる
うす曇る日
私は今日は
私のそばを通る人にはそつと気もちだけのおじぎをします
丁度その人が通りすぎるとき
その人の踵のところを見るやうに
静かに
本のページを握つたままかるく眼をつぶつて
首をたれます
うす曇る日は
私は早く窓をしめてしまひます
無題詩
ある詩の話では
毛を一本手のひらに落してみたといふのです
そして
手のひらの感想をたたいてみたら
手のひらは知らないふりをしてゐたと云ふのですと
無題詩
から壜の中は
曇天のやうな陽気でいつぱいだ
ま昼の原を掘る男のあくびだ
昔――
空びんの中に祭りがあつたのだ
馬
三十になれば――
そんなことを思ひつづけて暮らしてしまつた
一日
ずつと年下の弟にわけもなくうらぎられて
あとは 口ひとつきかずに白靴を赤く染めかへるのに半日もかかつて
何を考へるではなしいつしんに靴をみがいてゐたんだ
そして夜は雨降りだ
尾形亀之助 (1900 - 1942)
2016年2月8日月曜日
2016年2月6日土曜日
2016年1月25日月曜日
2016年1月5日火曜日
2016年1月1日金曜日
歌人鳥居

揃えられ主人の帰り待っている飛び降りたこと知らぬ革靴
空しかない校舎の屋上ただよひて私の生きる意味はわからず
慰めに「勉強など」と人は言ふ その勉強がしたかつたのです
姉さんは煙草を咥へ笑ひたくない時だつて笑へとふかす
待ち受けの(旦那と子ども)を見やる人 緞帳(どんちょう)あがりポールに絡まる
履いたきり脱げなくなつたと笑ひけり踊り子たちの冷たい裸
ラベンダー遺品となりし枯野にて病みゆく母の怒鳴る声抱く
生きている人より死んだ人ばかりくっきりと見える輪郭の淵
身寄りなき赤子は強く泣きつづけ疲れを知って一人静まる
刃は肉を斬るものだった肌色の足に刺さった刺身包丁
揃えられ主人の帰り待っている飛び降りたこと知らぬ革靴
歌人 鳥居














