パンと水(タンゴ)
エンリケ・カディカモ(アルゼンチン、1900-1999)訳:山田リオ
古い 悲しい記憶のなかから
過ぎ去った日々が 起き上がってくる
どれだけの歳月が 過ぎ去っただろう
まるで 昨日のことのようだ
わたしの愛したものは 今 どこにある?
わたしが失ったものは?
思い出は 悲しみを連れてくる
その悲しみは いつまでも 消えない
パレルモ・ヴィエホ だったか
心に 蘇える
今はもういない 友人たち
思い出す・・
あのヴェランダで過ごした 夕暮れ
喜びと幸せにあふれた 夜々
シャンパングラスの間から聞こえた
あのタンゴが 今また 聞こえる
「パンと水」・・
遠くのほうから聞こえてくる あのタンゴが
耳に やさしく響く
なつかしい 感傷的な余韻
なによりも大切な あのタンゴを奪った
そして あなたのことも 奪い去って行った
あの嵐が 今また 思い出を連れてくる Copyright©2016RioYamada
0 件のコメント:
コメントを投稿