八木重吉 ③
雨
窓をあけて雨をみていると
なんにも要らないから
こうしておだやかなきもちでいたいとおもう
石
ながい間からだが悪るく
うつむいて歩いてきたら
夕陽につつまれたひとつの小石がころがっていた
無題
ナーニ 死ぬものかと
児の髪の毛をなぜてやった
麗日
桃子
また外へ出て
赤い茨の実をとって来ようか
故郷
心のくらい日に
ふるさとは祭のようにあかるんでおもわれる
ひかる人
私をぬぐうてしまい
そこのとこへひかるような人をたたせたい
あさがお
あさがおを 見
死をおもい
はかなきことをおもい
八木 重吉(1898 - 1927)
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