2019年7月26日金曜日
2019年7月12日金曜日
2019年6月22日土曜日
2019年6月9日日曜日
2019年6月7日金曜日
2019年5月27日月曜日
2019年5月17日金曜日
2019年5月15日水曜日
2019年5月11日土曜日
たんぽぽ
Dandelion 蒲公英 タンポポ Taraxacum
だれが どんな名前で呼ぼうと
季節が巡って 時が来れば
けっして忘れたりしないで
そこらじゅうから いっせいに
出てくるきみたち
律儀に 確実に 間違いなく
黄色くて 緑色のきみたちは
土の中から出てくるんだねえ
花 という言葉が生まれたのはつい最近のことで
春 という言葉を考え付いたのも
ほんの昨日のことだけど
それよりも ずっとずっと昔から
きみたちは
そこにいたんだね
自転車はすぐに錆びる
崩れて 粉になって 溶けて
消えてなくなる
そしてぼくも 自転車と同じように
やっぱり すぐにこわれて
錆びて 崩れて 溶けて
いなくなるんだろう
でも きみたち
黄色くて 緑色のきみたちは
なにがあろうと
自転車や人間が どうなろうと
まるっきり平気で
季節がめぐって 時がくれば
けっして 忘れたりしないで
そこらじゅうから いっせいに
出てくるんだろうねえ
律儀に 確実に 間違いなく
土の中から出てくるんだろうねえ
Copyright©2014RioYamada
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タンポポ
2019年5月3日金曜日
日一日とはなんであるのか
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| ©RioYamada |
どんなにうまく一日を暮し終へても
夜明けまで起きてゐても
パンと牛乳の朝飯で又一日やり通してゐる
彗星が出るといふので原まで出て行つてゐたら
「皆んなが空を見てゐるが何も落ちて来ない」と暗闇の中で言つてゐる男がゐた
その男と私と二人しか原にはゐなかつた
その男が帰つた後すぐ私も家へ入つた
尾形 亀之助(1900 - 1942)
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尾形 亀之助
2019年4月25日木曜日
尾形亀之助 ⑤
雨の祭日
雨が降ると
街はセメントの匂ひが漂ふ
雨が降る
夜の雨は音をたてゝ降つてゐる
外は暗いだらう
窓を開けても雨は止むまい
部屋の中は内から窓を閉ざしてゐる
うす曇る日
私は今日は
私のそばを通る人にはそつと気もちだけのおじぎをします
丁度その人が通りすぎるとき
その人の踵のところを見るやうに
静かに
本のページを握つたままかるく眼をつぶつて
首をたれます
うす曇る日は
私は早く窓をしめてしまひます
無題詩
ある詩の話では
毛を一本手のひらに落してみたといふのです
そして
手のひらの感想をたたいてみたら
手のひらは知らないふりをしてゐたと云ふのですと
無題詩
から壜の中は
曇天のやうな陽気でいつぱいだ
ま昼の原を掘る男のあくびだ
昔――
空びんの中に祭りがあつたのだ
馬
三十になれば――
そんなことを思ひつづけて暮らしてしまつた
一日
ずつと年下の弟にわけもなくうらぎられて
あとは 口ひとつきかずに白靴を赤く染めかへるのに半日もかかつて
何を考へるではなしいつしんに靴をみがいてゐたんだ
そして夜は雨降りだ
尾形亀之助 (1900 - 1942)
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尾形亀之助
2019年4月24日水曜日
Carafe カラフ
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| Carafe カラフ |
男は横になったまま、客席の方向を見つめている。
カラフが舞台上空から降ろされ、男の身体の近くで止まる。
彼は動かない。
上空から、口笛が聞こえる。
彼は動かない。
カラフは、更に降りてくる。ぶらさがったまま、顔のまわりを動く。
彼は動かない。
カラフが引き上げられ、舞台上空に消える。
木が舞台背景に再び現れる。ヤシの葉が開き、影も再び現れる。
上空から口笛が聞こえる。
男は動かない。
木が引き上げられ、舞台上空に消える。
彼は自分の掌を見る。
- 幕 -
「言葉のない劇 一人のためのマイム」 より
サミュエル・ベケット(1906 - 1989) 訳:山田リオ
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2019年4月16日火曜日
2019年4月15日月曜日
運命論
路上で、偶然に出会った猫。
もうたぶん、二度と会わないだろう猫。 いや、ほんとうに偶然だったのか、
それとも、猫とわたしは、出会う運命だったのか。
映画「アラビアのローレンス」の中で、
砂漠で迷ったあげくに生還した Gasim(ガスィム)が言った言葉は、
「では、すべては、すでに、書かれてあったんだ」。
ガスィムは、運命を信じていた。
だが、その後、彼にどんな運命が待っているかを、
ガスィムは知らなかった。
この猫には、どんな将来が待っているのか。
人生は、無数の偶然の寄せ集めなのか。
それとも、何もかも、すでに、書かれてあるのか?
Copyright©2019RioYamada 山田リオ
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運命論
2019年4月10日水曜日
曇りの五月
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| Rio Yamada photo |
五月はいつも 静かだった
来る日も来る日も 曇りの五月
ジャカランダの紫色と 空の色
樹の下の薄闇 やわらかな光
それはたしかに 憶えている
あの町が 遠い遠い場所になった 今
時間が 記憶を 消したらしく
自分があのころ 何を思っていたのか
いくら考えても 思い出せない しかし
曇りの五月の あの色だけは
今でも まったく 変わらずに
私のなかの ここにある
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曇りの五月、ジャカランダ
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