やはらかいレンズがたくさん浮いてゐる空のすみから春がはじまる
開いたら袋の中で割れてゐる鳩サブレーのまるいおなかが
コーヒーの香りをデスクに置いたまま朝までひとりの余白に眠る
大西久美子
(「イーハト-ブの数式」より)
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02/04/2019 山田リオ
ダンゴムシは
かおが ちいさくて よくみえないので
ひょうじょうが わからない
うれしいのか かなしいのか
おこっているのか わらっているのか
ないているのか わからない
ダンゴムシは じぶんの なまえが わからない
じぶんが ダンゴムシ だということも
しらないし
いま せかいが どんなことになっていても
おそろしく あつい ながい なつがきても
なんだか よく わからなくて
だまって まるまったり のびたり
うごいたり とまったり する
かなしくても つらくても
びょうきになっても
じぶんが もうすぐ おわるかもしれない
そういうときも ダンゴムシは
なにも いわない
ただ うごいたり とまったり
まるまったり のびたりしながら
どこか よくわからないところにむかって
いきる
ダンゴムシは きょうも いきる Copyright ©2019RioYamada
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