山田リオ
夏が終わる日の午後に
小さな駅から海に向かうバスに乗る
やわらかい座席にすわると
窓からの風は潮のにおいがして
空には純白の積乱雲
そして
道端にはコスモスもゆれて
目の前には
海に向かう道がまっすぐに
でも
夢はいつも
そこで止まってしまう
運転手さん
お願いだからバスを走らせて
もうすこしで海に着くから
でも
返事はない
もうバスも夢も
その先には行かない
いつもそうだ
いつだって
あの
海に向かうバスの
おなじ席に座って
途方にくれる
いつか
わたしの肉体が死んで
朽ち果てて
土に帰ってしまっても
それでも
こころはきっと
あの小さな駅から
海に向かうバスに乗るだろう
あの席に座って
海に向かう道は
積乱雲の下、まっすぐに
窓からの風は潮のにおいがして
そして
道端には
コスモスもゆれて
Copyright © 2004Rio Yamada
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