2018年7月5日木曜日

万太郎 夏の句 再録


ふりしきる雨となりにけり蛍籠(ほたるかご)
亡き人に肩叩かれし衣替え

神田川祭りのなかを流れけり

抜け裏をぬけうらをゆく日傘かな

運不運ひとの上にぞ雲の峰

わが老いの業はねむれず明けやすき

月も露も涼しき永久(とわ)のわかれかな

ひとりむしいかなる明日のくるならむ

短夜の明けゆく水の匂いかな            *短夜(みぢかよ)


       久保田万太郎(1889-1863)

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