2014年2月18日火曜日
2014年2月17日月曜日
桜の園
■2007/02/27 (火) 桜の園
(第四幕、劇の終末、フィルスの独白)
フィルス:
(ドアに歩み寄り、取っ手にさわる)
錠がおりている。みんな、行ってしまったんだな。
(ソファに腰をおろす)
わしのことを忘れて行ったな。
なあに、いいさ、ここに、こうして座っていよう・・・
だが、旦那さまは、外套も召さずに行かれたのか。
(ため息)
わしは、なんで気がつかなかったんだ・・・
あんなに濡れておいでだったというのに・・まったく・・・・・
(何かつぶやくが、聞きとれない)
一生が過ぎてしまった。まるで、生きたおぼえがないくらいだ・・・
(横になる)
すこし、横になろう・・
あああ、なんというざまだ。なさけない・・もう、ぬけがらだ・・・
この、できそこないが。
(横たわったまま、動かない)
(遠くから、まるで空から響いてくるように、音が聞こえる。それは紐が切れるような音だ。そして、やがて音は止む。すべてが静かになる。
そして、斧が木を切る音が、ときおり聞こえてくる)
幕
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桜の園、チェーホフ
2014年2月13日木曜日
2014年2月7日金曜日
「作品第1004番」 再録
宮澤賢治(1896-1933)
今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです
ひるすぎてから
わたくしのうちのまはりを
巨きな重いあしおとが
幾度となく行きすぎました
わたくしはそのたびごとに
もう一年も返事を書かない
あなたがたづねて来たのだと
じぶんでじぶんに教へたのです
そしてまったく
それはあなたのまたわれわれの足音でした
なぜならそれは
いっぱい積んだ梢の雪が
地面の雪に落ちるのでしたから
■2002/05/03 (金) 作品第1054番
宮澤賢治
何と言われても
わたくしはひかる水玉
つめたい雫
すきとほった雨つぶを
枝いっぱいにみてた
若い山ぐみの木なのである
(雫=しずく)
今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです
ひるすぎてから
わたくしのうちのまはりを
巨きな重いあしおとが
幾度となく行きすぎました
わたくしはそのたびごとに
もう一年も返事を書かない
あなたがたづねて来たのだと
じぶんでじぶんに教へたのです
そしてまったく
それはあなたのまたわれわれの足音でした
なぜならそれは
いっぱい積んだ梢の雪が
地面の雪に落ちるのでしたから
■2002/05/03 (金) 作品第1054番
宮澤賢治
何と言われても
わたくしはひかる水玉
つめたい雫
すきとほった雨つぶを
枝いっぱいにみてた
若い山ぐみの木なのである
(雫=しずく)
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