2016年8月25日木曜日

江戸の都都逸 ②


三千世界のからすを殺し
ぬしと朝寝がしてみたい  *ぬし(おまえ、あなた)

がつくほどつねっておくれ 
あとでのろけの種にする

明けの鐘 
ゴンと鳴るころ三日月形の
櫛が落ちてる四畳半

上を思えば限りがないと 
下むいて咲く百合の花

嫌なお方の親切よりも
好いたあんたの無理が

ひぐらしが
鳴けば来る秋わたしは今日で
三晩泣くのに来ない人

こうしてこうすりゃこうなるものと 
知りつつこうしてこうなった

道楽も

酒も博打も女もやらず 
百まで生き馬鹿がいる 

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