2014年4月20日日曜日

岸田衿子




なぜ 花はいつも         

なぜ 花はいつも
こたえの形をしているのだろう
なぜ 問いばかり

天から ふり注ぐのだろう
   


 スノードロップ                                                                        
 

空からの光ともちがう
だれかがともした灯りともちがう
花は じぶんの内側にひかりを持っていて
外側の花びらで 包んでいる
遠くからきこえてくるのではない
近くで誰かが口ずさんでいるのではない
花からひとりでにこぼれるうたがある
ゆきをとかした しずくのように
花の灯りと 花のうたは
いつのまにかふえて
谷間を みたしている 


                    岸田衿子(1929-2011)

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