2012年2月21日火曜日

ダウントン二年目が終わった


ダウントン・アビーのシーズン2が終わった。
疾風怒濤。諸行無常。

ドラマ開始一年目の冒頭の第一話を飾った、
料理見習いのデイジー(Daisy)、初々しかった少女。
働く女子中学生、という感じだった彼女の人生も、
ある重い、圧倒的な出来事で、大きく変わった。
ドラマの上では三年の歳月が流れ、
実際には一年の間にデイジーはやや太って、
落ち着いた大人の女になってきた。

二十台の若々しい青年だった召使のウイリアムス(Williams, the footman)も、すっかり中年太りした。三年でおじさんになった。
彼もまた、他人の知らない物語を抱いて生きる。

そして、料理長の太ったおばさん、パトモア夫人(Mrs.Patmore)がいい。
少しずつ、この人の心の中が見えてくる。
ほんとうはどういう人なのか、という発見がある。

登場人物は、すでに30人を超え、
その一人一人、それぞれの過去と現在と未来が、
幸福が、不幸が、願望が、不安が、愛が、憎しみが、善意が、悪意が、
けっして「群像」としてではなく、
一人一人、一つ一つ、丁寧に照明をあてられ、
あぶりだされて行く。
これは、「お殿様を中心に、みんなが集まり、結束し」、
というようなドラマではない。

つまらない人生、などというものは存在しない。
すべての人が、それぞれの物語を持っている。
それが作者ジュリアン・フェロウズの信じていることであり、
それがこのドラマの類を見ない魅力であり、
既存の映画やテレビドラマとは大きく異なる点だ。

シーズン3を見るまでは、死ねないぞ。
じゃ、シーズン4は、5はどうなんだ?(笑)  山田
 
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