2019年8月31日土曜日

rio yamada photo

             山田リオ
足が冷たい
真っ暗で 何も見えない 
立っている場所は
何処なのか わからないが
足首から下が 水の中にあって
水のつめたさが 上がってくる
目を閉じ 方向を定め
右足を一歩 前に出す
空気は 動かない
水の匂いがする 音は聞こえない
つめたい 浅瀬の水の上を
歩き始める ゆっくりと 
一歩 一歩 たしかめながら
つめたい 水の中を 目を閉じ 歩いて行く

2019年8月27日火曜日

夢捕獲器 2004

                  山田リオ


だいぶ前 ぼくが砂漠に住んでいた頃

ある人が 変なものをくれた

「これは ドリームキャッチャー というもので

アメリカの先住民が 作ったんだ」

そういう説明だった つまり それは  

夢を捕まえる為の道具だ と言うのだ


それは 直径5センチほどの白い輪っかで

木綿の紐と 糸と 鳥の羽で出来ている

輪の内側に 糸で螺旋状の網を 編んであって

そこに 白い鳥の羽を 何枚も編み込んである

持ってみると それは 思ったより軽くて

風が吹けば 飛んで行ってしまいそうだ


あれを手にしてから いろいろなことがあった 

ぼくは あれから 夢を捕まえることができたのか

それとも できなかったのか 

でも ああ そういえば   

あの ドリームキャッチャー ぼくは

いったい どこに置いたんだろう


ゴミと間違えて 捨ててしまったのか 

それとも あの 夢捕獲器は 

もう ぼくには必要なくなったから  

いなくなってしまったのか

きっと 夢捕獲器は いつのまにか

風に乗って 飛んで行ったんだろう

 Copyright ©2004RioYamada 


rio yamada photo









2019年8月24日土曜日

親しいハエトリグモ


この季節、室内でよく出会うハエトリグモくんです。
今朝は、すぐそばまできてくれたので ちょっと写真を。
非常に元気で 動きも機敏なので、
体調は良さそうです。

わたしの大切な知人 いや 知蜘蛛です。
こっちが勝手に「親しい」なんて思っているだけでしょうけれど。
でもね、水滴をあげると、
ちゃんと飲みます。 
この子がいてくれて、ダニを食べてくれるので
夏も快適に暮らせるのです。
「ぎゃー、クモ!!!」とか、
嫌わないであげてくださいね。

2019年8月23日金曜日


何処やらむかすかに虫の鳴くごとき心細さを今日もおぼゆる

              石川啄木(1886-1912)

2019年8月19日月曜日

篋底

宮澤賢治の短文に「おきなぐさ」というのがある。
今日は、そのおきなぐさの写真を載せることにした。

この詩日記を始めたのは2002年で、最初の詩日記は引越しを余儀なくされたため、
ここでは、日記の目次の最初のページは2011年から始まっている。
実際は、2011年の部分には、2002年4月20日から2011年の5月30日までを掲載した、
約、九年分の記事が詰まっていることになる。
かなり大量のデータだが、自分で書いたものだから、
読み返すと、やっぱり懐かしい。
色々あった時期の日記を読むと、忘れていたことも思い出す。 
                            山田
おきなぐさ 

2019年8月16日金曜日

空耳


              山田リオ
rio yamada photo
蝉の声がやんで 遠くから
なにか 聞こえたような気がして
耳を澄ませる 
何も聞こえない 蝉の声だけ
気のせいか 
遠雷も夕立も 希望的空耳
ポツポツ アスファルトに雨粒が落ちて
それから 涼しい風が立つ 
雨だ 真夏の夕立 いや
wishful thinking だな
そう うまくはいかないよ 
でも なんという湿度
むっとして 帰れば庭に柳かな か
むっとする 湿度の中で 今日も生きるのだな
でも 夕立が来ないのはなぜか
わたしは 夕立に見放されたのか
おい 夕立 なぜ来ない なんとか言え
ゴロゴロとでも 言ってみろ


2019年8月14日水曜日

虚無


「言葉はすべて、沈黙と虚無とに付着した無要な汚れのようなものだ。」

             サミュエル・ベケット(1906-1989)  (山田リオ訳)

2019年8月13日火曜日


短夜のあけゆく水の匂かな      短夜(みじかよ)

          久保田万太郎(1889-1963)

2019年8月11日日曜日

Rio Yamada Photo

運不運人の上にぞ雲の嶺

       久保田万太郎(1889-1963)

2019年8月10日土曜日

ひまはり


ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり

                   永井陽子(1951-2000)
rio yamada photo


2019年8月9日金曜日


さあここであなたは海になりなさい 鞄は持っていてあげるから

                笹井宏之(1982-2009)

2019年8月8日木曜日

Cicada

© rio yamada


ミンミンゼミの生涯。




ミンミンゼミの寿命は、
地下で暮らす幼虫の時間を含めて、
二年から四年と言われる。
地上に出て、羽化して成虫になってから、
およそ三週間生きる。
でも、暑さに弱く、熱波の夏には短命。

2019年8月7日水曜日

おねがい



死にたくない
できれば 死にたくない
なんとか お願いできませんかね
だって
死んだらPaulinho da Viola 聴けなくなるから

             やまだ

ハサミムシ


あかるいの いや
くらいところ すき

かわいたの だめ
しめったところ いい

うえきばちの したとか
そういう ところ

しずかに くらす
おれ はさみむし
         やまだ りお

2019年8月6日火曜日

新生児

■2008/09/15 (月) 新生児

            山田リオ

声に出して読まれなかった詩は
演奏されない楽譜のようです
それは
生まれなかった赤ん坊です

あなたが声に出して読んでくださることで
はじめて
詩は命を得ます
あなたが声に出して読んでくださるたびに
何度でも
詩は新生児となって
この世に生まれ出るのです
Copyright ©2008RioYamada

2019年8月4日日曜日

至上の



昼食には、
まず、堅くて黒いパン、
ブルーチーズ、
生のブドウと、
そして赤ワインがあれば、もう・・・

私にとって、これが最上の昼食だなあ、と。
さっき思いました。

2019年7月26日金曜日


              山田リオ
夜更け
窓の外にある巨きな樹のおかげで
風が吹いているのがわかる
ああ 風が吹いているんだと
思う

ゆっくりと時間をかけて
少しずつ
たらたら ぽたぽた
丁寧に ていねいに あの人は
デミタスに珈琲を 淹れてくれた
願うように 祈るように

あんなふうに しみじみと
珈琲を淹れていた あの人
暗い部屋のベッドの中で
風の音を聴いていると
自分が風の音になってしまうのは
やっぱり そこに 樹がいてくれるからなのだ



2019年7月16日火曜日

Rio Yamada 2019

雨は音楽だ
でも
作曲家は
だれなのか
どこにいるのか
知らない

     やまだりお

2019年7月12日金曜日

ともだち


真の友人を持つことは、片手間仕事では出来ない。
もし、何人も友人がいるというのなら、
彼らはあなたの本当の友人ではないのだ。

               トゥルーマン・カポーテ(1924〜1984)

2019年7月10日水曜日

いのち


この世界は美しいものだし、人間の命は甘美なものだ」

               ゴータマ・ブッダ(紀元前五世紀)
                訳:中村元(1912-1999)
rio yamada photo


蜘蛛の糸のような細い雨が降っている朝です

2019年6月25日火曜日

夜明け


眠れないから しかたなく そのまま 
横になって まだ暗いのに
外で小鳥が なにか言ってる
                やまだりお

2019年6月22日土曜日

考える人

 
わたしの父がよく言っていた。

『三流の頭脳は、多数派といっしょに考える。

二流の頭脳は、少数派といっしょに考える。

そして、一流の頭脳は、自分一人で考える。

明確でない時、いくつも意見があるとき、

わたしは必ず、自分自身の頭脳で考え、決定する。』

       クリストファー・ロビン・ミルン(英国)は、
       「くまのプーさん」の作者、A.A.ミルンの息子。

2019年6月10日月曜日

だって



死にたくない
できれば 死にたくない
なんとか おねがいできませんかね
だって
死んだら Paulinho da Viola 聴けなくなるからね

                やまだ

2019年6月9日日曜日

雨の日

2019年5月17日金曜日 

Here's that rainy day again
ジョニー・バーク(1908-1964) 訳:山田リオ

あの夢の残りを とっておけばよかった
ふしぎと 今日もまた 雨の日だ
だれかが 言っていた 雨の日だ 
こうなるような気がしてた と 思ってから 
一人で 笑ってしまった

捨ててしまった 擦り切れた願いは どこにある
それは 愛を すぐそばまで 連れて来てくれたのに
ふしぎと 恋はいつも 冷たい雨の日に変わってしまう 
ふしぎと 今日もまた 雨の日だ

2019年6月7日金曜日

ジャカランダ

Jacarandaa

お店で、ジャカランダの鉢植えを見つけた。
我慢できずに、買ってしまった。
今の季節だと、きれいな紫色の花が咲く。
鉢を、窓のそばに置いてみようと思う。

でも、花が咲いて、育って、大木になるんだ。
でもそれは、そのときに、心配するさ。
Jacaranda、ジャカランダ、ハカランダー。

2019年6月6日木曜日

宮柊二


風かよふ棚一隅に房花の藤揉み合へばむらさきの闇  

頭を垂れて孤独に部屋にひとりゐるあの年寄りは宮柊二なり
                  
                                    宮柊二(1912-1986)

2019年5月31日金曜日


風吹く家のまはり花無し

       尾崎放哉(1885-1926)
  (おざきほうさい、無季自由律俳句)
 

2019年5月27日月曜日

遠い渚



ここから波音きこえぬほどの海の青さの
                        
                   尾崎放哉(1885-1926)
                        (おざきほうさい、無季自由律俳句) 
 
いつも、要町にある、もりかずさんの海の絵を思い出す。
あれも、ずっと遠いところで波が砕けているのが見える。 
でも、聞こえない Copyright ©2015RioYamada

2019年5月22日水曜日





「始まりも、終わりもない。
人生への限りない情熱があるだけだ。」
                

  フェデリコ・フェリーニ (1920–1993)