2019年9月3日火曜日

退屈な話

          山田リオ
ある街角で ふと
路上に立ち止まり
一杯の 赤ワインを思う
背後には 曇り空の下
伸びている まっすぐな道
一杯の赤ワイン 曇り空
まっすぐな道 それだけ

あとは 背後の 道の上 
点々と残った 自分の 足跡
幸運 という名の 足跡 
それにしても 何という退屈な話だ 
そう たしかに 酒の相手として  
これほど 退屈な奴もいない

しかし 誰を楽しませるために
立ち止まったわけでもなく
自分の不運に対する 恨み言も無いので
そんなわけで 路上に立ち止まり
うっすら笑って 一杯の赤ワインを思う
それにしても 何という
退屈な話だ 

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