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遠くから近付いて来る足音を聞いている
山田リオ
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もしかしたら
わたしにとって 生きる意味とは
お気に入りの コーヒーポットで淹れた
とろりと濃い デミタスの珈琲の
味と香りを楽しみながら
あの ゆるやかで 静かな音楽を聴く
それだけのこと なのかも 知れない
山田リオ
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いま、カーソン・マッカラーズという作家の「心は孤独な狩人」という小説に出会って、
なんだか、とてもぴったりくるので、夢中になって読んでいます。
この作家はアメリカの女性ですが。
いや、ただそれだけなんですけど、急に書きたくなったので。 やまだ
PS 掲載して、あとから気がついたけど、このコーヒーの詩、江國香織さんのにすごく似ているよね汗;;;すみません・・・
PPS でもね、この写真、気に入っているんだよね・・(自己満足)
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まんじゅ沙華さけるを見つつ心さへ
つかれてをかの畑こえにけり
茂吉
山田リオ
あなたのまわりを流れる時間は
ほかのどんな時間にも似ていない
あなたから生まれる言葉は
ほかのどんな言葉ともちがう
どんな人間にも
動物にも植物にも鉱物にも
あなたは似ていない
なぜならあなたは
この宇宙に
たったひとり Copyright©2016RioYamada
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雨に濡れる 石蕗(つわぶき)
子供の頃は つわぶき ではなく
艶蕗(つやぶき)だと 思っていた
でも大人は つわぶきだ と言うので
なんでだろう と思った
今見る 雨の石蕗は
湿り気を帯びた 空気の中
ぬれぬれとして つややかで
なつかしい
山田リオ
「
完璧な行動は、完全な無頓着によってのみ生まれる」
チェザーレ・パヴェーゼ (1908-1950)
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一人で生きていけるほど 強くはない でも
仲間がいないと不安になるほど 弱くもない
山田リオ
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ここから波音きこえぬほどの海の青さの
尾崎放哉(1885-1926)
山田リオ
ある街角で ふと
路上に立ち止まり
一杯の 赤ワインを思う
背後には 曇り空の下
伸びている まっすぐな道
一杯の赤ワイン 曇り空
まっすぐな道 それだけ
あとは 背後の 道の上
点々と残った 自分の 足跡
幸運 という名の 足跡
それにしても 何という退屈な話だ
そう たしかに 酒の相手として
これほど 退屈な奴もいない
しかし 誰を楽しませるために
立ち止まったわけでもなく
自分の不運に対する 恨み言も無いので
そんなわけで 路上に立ち止まり
うっすら笑って 一杯の赤ワインを思う
それにしても 何という
退屈な話だ