2017年12月29日金曜日

夜明け 2008 あれから十年 

■2008/01/04 (金) 夜明け

Novo Alvorecer (ブラジル)

「夜明け」     詩:D.イヴォニ・ララウ 訳:山田リオ
      
見てごらん 花が燃え立つ
一日が始まるとき
痛みは消え 希望が生まれる
一晩の疲労と不安に
美しいものが とってかわる
海は唄い 潮が満ちてくる
それは 悲しみのように
わたしの魂を 呑みこむ

わたしは答を求め 歌う
悲しみのなかで 目を覚ましてはいけない
幸福にみたされ 目を覚まそう
やさしい歌はいつも 夜明けの方からやってくる
けっして 真夜中の 痛ましい叫びの方からではない
夜明けの色は やわらかい
夜明けの色は 自由の色
夜明けは 魂の安らぐ場所

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サンバ・カンサオン、「歌うサンバ」の詩です。

サンバは、宗教的な内容、それと愛国的な内容が多いのです。
ですから、ただ踊り騒ぐだけかのように見えるカルナヴァウ(カーニヴァル)のサンバも、
その歌詞には「わたしたちの主(しゅ)」「主と聖霊と」などの言葉が頻繁に現れます。
カーニヴァルは、日本人には馴染みがないでしょうが、つまりはキリスト教の祭りなのです。
一方で、またサンバには、愛や生活といった、叙情的な内容のものも多いのです。

2017年12月25日月曜日

fuel


今日は 
勇気が
ガス欠です

白梅は あれからつぎつぎに咲いています
お正月まえに満開になっちゃうかも


2017年12月23日土曜日


わたしは、グループの人たちに向かって話すのが嫌い。
わたしが話すときは、いつも、一人の人とだけ話したい。
     

                            シルヴィア・プラス(1932-1963)

2017年12月13日水曜日

破片


「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。
そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。
そうして墓の傍に待っていて下さい。
また逢いに来ますから」

(夢十夜) 夏目 漱石(1867-1916)

2017年12月5日火曜日


湿った、新鮮な空気と、灰色の空。
ここ数週間に見た色はすべて
うす紫の煙の色か、鈍い琥珀色だった。

シルヴィア・プラス(1932-1963)
訳:山田リオ

2017年12月3日日曜日

幸福


わたしは 自分の肺が 
押し寄せてくる景色で
いっぱいにふくらむのを感じた
空気 山々 木々 人々
そして 思った
「これが 幸福と言うものだ」

シルヴィア・プラス(1932-1963)

訳:山田リオ

2017年12月2日土曜日


耳を澄ませてごらん
香草の香る庭
桃の木の枝に
鷽がいる
その唄はまるで 
清らかな水のようだ 

フランシス・ジャム(1868 - 1938)

訳:山田リオ    鷽(ウソ)