2016年10月11日火曜日

八木 重吉 ②

秋のひかり

ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちてひろがる
このひかりのなかで遊ぼう

雨

窓をあけて雨をみていると
なんにも要らないから
こうしておだやかなきもちでいたいとおもう


石

ながい間からだが悪るく
うつむいて歩いてきたら
夕陽につつまれたひとつの小石がころがっていた


草に すわる

わたしの まちがひだつた
わたしのまちがひだつた
こうして 草にすわれば それがわかる

草をむしる

草をむしれば
あたりが かるくなってくる
わたしが
草をむしっているだけになってくる

響

秋はあかるくなりきった
この明るさの奥に
しずかな響があるようにおもわれる

無題

ナーニ 死ぬものかと
児の髪の毛をなぜてやった

                八木 重吉(1898-1927)

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