秋のひかり
ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちてひろがる
このひかりのなかで遊ぼう
雨
窓をあけて雨をみていると
なんにも要らないから
こうしておだやかなきもちでいたいとおもう
石
ながい間からだが悪るく
うつむいて歩いてきたら
夕陽につつまれたひとつの小石がころがっていた
草に すわる
わたしの まちがひだつた
わたしのまちがひだつた
こうして 草にすわれば それがわかる
草をむしる
草をむしれば
あたりが かるくなってくる
わたしが
草をむしっているだけになってくる
響
秋はあかるくなりきった
この明るさの奥に
しずかな響があるようにおもわれる
無題
ナーニ 死ぬものかと
児の髪の毛をなぜてやった
八木 重吉(1898-1927)
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