2016年9月8日木曜日

端唄

夕暮れ

夕暮に 眺め見渡す隅田川 月に風情を待乳山
帆上げた船が見ゆるぞえ アレ鳥が鳴く 
鳥の名も 都に名所があるわいな

有明

有明の灯す油は菜種なり 蝶が焦がれて逢いに来る
もとをただせば深い仲 死ぬる覚悟で来たわいな
気安めかだます心か知らねども 今朝の別れにしみじみと
辛抱せよとの一言が たより無き身の力草
今朝も羽織の綻びを わしに縫えとは気が知れぬ
嫌な私に縫わすより 好いたあの娘に頼まんせ

秋の夜

秋の夜は長いものとはまん丸な 月見る人の心かも
更けて待てども来ぬ人の 訪ぬるものは鐘ばかり
数うる指も寝つ起きつ わしゃ照らされているわいな

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