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山田リオ
リサイクルショップで
琥珀のペンダントを見つけた
見ると、いろいろなものが内包されている
木の葉の破片のようなもの
小さい半透明の花びらのようなもの
なんだかわからない細かいもの
はっきりとわかるのは
小さい羽虫が一匹
何万年か昔
木の表面から流れた樹液が固まったとき
そこにいた蟲や花弁や
なにやかやがみんないっしょに固められて
その日そのとき時間が止まった
そうやって固まった松脂が
何万年か経って
こんな透明な宝石になった
そういう偶然でこの羽虫さんは
腐ることも土に還ってしまうこともなく
あの日のままのすがたで
今日はここにいるのです Copyright ©2015RioYamada
PS この羽虫さんは、あの蜘蛛の餌にはちょうどいい大きさですが、
蜘蛛さんは羽虫さんに触ることができません。右上隅にいるのが羽虫さん
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