冬の句
さびしさは木をつむ遊びつもる雪
いまは亡き人とふたりや冬籠(ふゆごもり)
雪掻いている音ありしねざめかな
ほとほととくれゆく雪の夕(ゆうべ)かな
死んでゆくものうらやまし冬ごもり
久保田万太郎
雪を漕いで来た姿で朝の町に入る
雪空にじむ火事の火の遠く恋しく
雪の戸をあけてしめた女の顔
師走の木魚たたいて居る
小さい島に住み島の雪
師走の夜のつめたい寝床が一つあるきり
尾崎放哉
さびしさや師走の町の道化者
春の灯や立花亭の雪の傘
叉一つ寄席なくなりし夜寒かな
益田龍雨
褄取れば片手に重し傘の雪
岡本松浜
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