アリ・バホーズ (1903~1964, ブラジル)
訳:山田リオ
大通りで 黄色いシャツを着た あいつに出会った
花売りの唄を 歌いながら 花売りの唄を
あいつに 一緒にうちに来ない? と言ったら
あいつは 皮肉な笑みを浮かべて
つむじ風のように消えた
ほんとうに つまらない男
あいつは 食べ過ぎて 太っていたし
物干しで ヒラヒラ 風にゆれていたんだから
しばらくして ラルゴ・ラパのカフェで あいつを見つけた
五杯目のカシャサを飲んでいるところを
冗談じゃない
あいつは 朝の七時に戻ってきた
水曜日の 朝の七時にだ それに 酔っ払って
庭師の唄を歌いながら そう 庭師の唄を
重曹入りの水を飲みながら あいつは私に話しかけた
まったく ろくでもないやつ
ベッドにぶっ倒れて 靴も脱がなかった
そのまま 一週間 いびきをかき続けた
目覚めて あいつは私に 喧嘩をふっかけた
なんてやつ でも いいんだ
それに あいつは 亭主関白
でも そこがおもしろい あいつは最高だよ
だから 何があっても 気にしない
黄色いシャツなんか 燃やしてやる
あんなあいつが 好きだから
冗談じゃない
あいつは 私だけのもの
私の 大好きな 男だから
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