わが生はかくのごとけむおのがため納豆買ひて帰るゆふぐれ
辛うじて机のまへにすわれども有りとしも無しこのうつしみは
斎藤茂吉(1882~1953)
とくに、豊かな内容の原稿が来て、
それを、楽しみながらあれこれと考え、
書き、読み返し、書き直し、訂正し、
あれこれ工夫して書く時間は、本当に楽しい。
あっという間に時間が、日々がすぎて行く。
出来上がってしまって、原稿を送った後は、
大切なものを失ったようで、淋しい。
そんなことなら、もっと時間をかけて、
ゆっくりやるんだった、と後悔する。
でも、また仕事が来ると、
もう、楽しくて、どんどんやってしまう。
そして、仕上がってから、また、後悔する。
むづかしいものだ。
ところが、ときには、というか、しばしば、
送ってしまった後で、失敗に気がつく。
まったく、自分は、不注意で、愚かなやつだ。
しかし、後悔しても、もう、遅い。
でも、後悔。 やまだ