2018年11月3日土曜日

おきなぐさ

風はそらを吹き
そのなごりは草をふく
おきなぐさ冠毛の質直
松とくるみは宙に立ち
    (どこのくるみの木にも
     いまみな金のあかごがぶらさがる)
ああ黒のしゃっぽのかなしさ
おきなぐさのはなをのせれば
幾きれうかぶ光酸の雲

    かはばた

かはばたで鳥もゐないし
     (われわれのしょふ燕麦の種子は)     燕麦(オート)
風の中からせきばらひ
おきなぐさは伴奏をつゞけ
光のなかの二人の子

           宮澤賢治(1896-1933)

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