山田リオCopyright©2017RioYamada
しょうがくせいのとき
くらくなってから でかけて
ちかくの いけにいった
そこは ひるま ひとりで くちぼそをつったり
アメンボが すいめんをすべるのをみたりする
おきにいりの すきなばしょだった
このひは よるになってから いけにいった
いけのそばで しゃがんでいた
まっくらな いけのほうから カモのこえがきこえた
みんな ちいさいこえで はなしていた
「おい」「いるか」「いる」「よし」
「ここ」「だいじょぶ」「いる」「うん」
そんなふうに みじかいことばで
「ここ」「げんき」「いる」「うん」
「ねたか」「おきてる」「うん」「だいじょぶ」
すこしだけ なにもきこえなくて で また
「おい」「なに」「だいじょぶ」「うん」「いっしょ」
「あんしん」「うん」「いっしょ」「あんしん」
ちいさいこえで きれぎれに
さむくなってきたから かえろうとおもった
たって いけをみたけど なにもみえない
くらいみちを だまって ひとり あるいた
かもは あんしん
かもは あんしん
ぼくはだまって ひとりあるいた Copyright©2017RioYamada
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