2012年12月25日火曜日

今年のクリスマス

24日、クリスマス・イヴは何の予定もなかったので、テレビで日本からのニュース映像を見ていた。
非常に激しく雪が降っていて、寒そうだ。
こっちも夜は冷え込むが、寒いと言っても、せいぜい零度で、日本の寒さとは比較にならない。
それでも冷たい雨の合間に、ハチドリが家の餌場にやってくる。

夕方になって、暇なので、車で小一時間離れた日本人街に買い物に出た。
イヴということもあって、高速道路は混んでいたが、着いてみると、マーケットは閑散としていた。
餅、黒豆、などを買ってから、近くにある、焼き魚で人気の食堂に行ってみると、中は灯りが消えて真っ暗だった。

しかたなく、もとのマーケットに戻る。
いくつかの食べ物屋はまだ営業していて、通路のテーブルで食事している人たちがいる。
そこで、炭火焼きの焼き鳥屋「新撰組」で「焼き鳥弁当」4ドル(350円)を注文する。
オーダー待ちの人が待っていて、「30分くらい待ちますけど、いいですか?」と聞かれても、いいです、と言うしかない。

炭火で焼ける肉と醤油の、たまらない香りを嗅ぎながら待っていて、気がついたら、そのとなりがシュークリームで人気の「ビアード・パパ」(日本のチェーン店)だということに気がつく。
食後には「フォンダン・オ・ショコラ」を食べよう。
そうしよう。クリスマスだし。今日は特別だ。


Copyright © 2012Rio Yamada
この、温めたフォンダンにスプーンを入れると、中の熱いガナッシュ、生チョコレートがとろりと溶けて流れ出す。
それを想像しながら待っていたら、「49番のお客さん!」という声。
焼き鳥弁当が出来上がったのだ。

通路のわきの貧しいテーブルで、通行人に覗かれながらのクリスマス・イヴのディナーだ。
炭火で焼けた、熱々の鶏肉と葱、そして、つくね、焦げた肉と脂で味と香りが付加された、醤油と砂糖のたれが炊き立てのごはんに染みて、添えられた紅しょうが、そして、ほんのすこしだけ飯にふりかけた刻み葱も、絶妙だ。
飲み物はもちろん、ブルゴーニュの赤ワインでも吟醸酒でもなく、カゴメの六条麦茶だ。

食べ終わって、すぐに、となりのビアード・パパでフォンダン・オ・ショコラ、2ドル50セント(210円)を温めてもらう。
とろとろに溶けたチョコレートの香りがたまらない。あっという間に、食べてしまった。
すると、フォンダン屋の親父、この人は中国人なのだが、休憩に入ったらしい。
隣のテーブルに座って、同じく焼き鳥弁当を食べ始める。

すっかり満足して、おやじに挨拶してから、帰ることにする。
どんなに高価なフランス料理よりも豪華な、今年のクリスマス・ディナーだった。
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