2021年8月23日月曜日

雲


さびしさはみづがねいろの雲となりながれてゆきぬこの世のほかへ

                                                              永井陽子(1951~2000)

2021年8月20日金曜日

黄色いシャツ Camisa Amarela

                               アリ・バホーズ (1903~1964, ブラジル) 

                   訳:山田リオ

大通りで 黄色いシャツを着た あいつに出会った

花売りの唄を 歌いながら 花売りの唄を

あいつに 一緒にうちに来ない? と言ったら

あいつは 皮肉な笑みを浮かべて

つむじ風のように消えた

ほんとうに つまらない男

あいつは 食べ過ぎて 太っていたし

物干しで ヒラヒラ 風にゆれていたんだから

しばらくして ラルゴ・ラパのカフェで あいつを見つけた

五杯目のカシャサを飲んでいるところを

冗談じゃない

あいつは 朝の七時に戻ってきた

水曜日の 朝の七時にだ それに 酔っ払って

庭師の唄を歌いながら そう 庭師の唄を

重曹入りの水を飲みながら あいつは私に話しかけた

まったく ろくでもないやつ

ベッドにぶっ倒れて 靴も脱がなかった

そのまま 一週間 いびきをかき続けた

目覚めて あいつは私に 喧嘩をふっかけた

なんてやつ でも いいんだ

それに あいつは 亭主関白

でも そこがおもしろい あいつは最高だよ

だから 何があっても 気にしない

黄色いシャツなんか 燃やしてやる

あんなあいつが 好きだから

冗談じゃない

あいつは 私だけのもの

私の 大好きな 男だから









2021年8月16日月曜日

川

 短夜(みじかよ)のあけゆく水の匂いかな

          久保田万太郎 (1889~1963)

2021年8月9日月曜日

日々

 日々 戦場を行く

コンビニまで ミルクを買いに行くとき

バスを待っているとき

弾丸が いくつも 耳のそばを飛び過ぎる音が聞こえる

でも まるで 何事もないふりをして

知らん顔で 空を見る 花を見る

そういう 日々 

いつ終わるとも知れない

そういう 日々

           山田リオ

               

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2021年8月7日土曜日

雨の日


                       Carmen McRae   カーメン・マクレイ (1922~1994) 

2021年8月6日金曜日

2021年8月5日木曜日

夏

終わらない夏がだれにもあることをさやいんげん刻みつつ思へり

            笹井宏之 (1982~2009)


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2021年7月31日土曜日

舟

 ひとが死ぬニュースばかりの真昼間の私はついにからっぽの舟

               笹井宏之(1982~2009)

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2021年7月28日水曜日

イワシという名のロゼワイン

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イワシ という名のロゼワイン
このワインを わたしは好きなので
昨日の夕食の時に 呑むことにした
オマール海老を 買ってきたので
海老をグリルで焼いて それと一緒に
よく冷やした イワシ を呑んだ
綺麗なバラ色のイワシワインは 私を 
短い間だけれど しあわせにしてくれた
今は朝 窓の外は 何か不穏な雰囲気で
雨が来そうな 空気が重たい そういう朝
               ヤマダ 
 

2021年7月22日木曜日

ココニイル


 人々が みんな立ち去っても 私 ここにいるわ

         12/01/1984  松任谷由実 (「ノーサイド」という歌から)

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2021年7月8日木曜日

海

 生きているどのことよりも明々といま胸にある海までの距離                     明々(あかあか)

                                                          永井 陽子(1951-2000)


2021年7月1日木曜日

雨の日

 出かけたくない気持ちもあったけれど

好きなパンが食べられないと困るので

激しい雨の中遠くのパン屋まで行った

パン屋は静かで欲しかったパンが買えた

帰り道では雨がずいぶんやさしくなった

雨の日は好きだから行ってよかったと思う

               R.Y.

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2021年6月30日水曜日

お、

 おにぎりがもらえるまであるくから もらえないってことはないんだな。

               山下清(1922~1971)




2021年6月25日金曜日

桃

 透き通る桃に歯ブラシ当ててみる(こすってはだめ)こすってはだめ

                笹井宏之(1982~2009)

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2021年6月22日火曜日

安心の

 この 色 堅さ 香り  

そして 小麦とライ麦の 深い味

存在自体が 心の やすらぎ    

                やまだ

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2021年6月17日木曜日

そうだ

 旅に出よう どこか 遠いところへ

ボスニア なんていいな

乗り継ぎが けっこう多いけど

それでも 行きたいなあ

もし それが無理なら

そうだ 大須へ行こう

そうしよう          ヤマダ



         

2021年6月10日木曜日

捨てられないシャツ 2007

 むかしむかし 砂漠に住んでいたころ

救世軍の古着屋に ずいぶんお世話になった

このシャツの値段は 1ドル ありがたかった

前の人が 着て 洗って いい味が出ている

このシャツは 麻で 風通しがよく 気持ちがいい 

ずいぶん 永いあいだ 着ているけれど

大好きなシャツだから 今でも 夏が来れば 着る

死ぬまで着るんだ 何があったって 捨てるもんか

                やまだ

(後記:今でも着ています。2024 山田)

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2021年6月9日水曜日

虹

いつでも 手で触れられる場所に 置いてある 虹

私だけの 専用の 虹

この貝殻は ヴァイオリンの弓のフロッグ(持ち手)の一部にもなる

音楽を奏でる時にも 虹は必要なのだ

                  山田

アワビは 死んでしまったあとに こんなきれいな 虹を置いて行く

ぼくは いったい なにを置いて行くんだろう    やまだ 


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2021年6月3日木曜日

Orchid

今年も また 忘れずに 咲いてくれました

              ありがとう

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2021年5月28日金曜日

声

だれかを思い出すのは その人の声を思い出すということ

だれかを忘れられないのは その声が忘れられないということ

だれかがなつかしいと思うのは その人の声がなつかしいということ

                山田リオCopyright ©2021RioYamada





2021年5月26日水曜日

野鼠

そして 満たされない日々と 

満たされない夜々
 
人生は 草を揺らさずにすり抜けて行く野鼠のように 

あっという間に 過ぎ去る

         エズラ・パウンド(1885~1972) 山田リオ訳

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檸檬

 「他人のせいにするのはコスパが悪い。」

「他人は変えられないが、自分は変われる。自分が変わるほうが簡単。」

「見方を変えればレモンも甘い。」

                                                                    中野信子

2021年5月18日火曜日

梅雨寒

いつの間に世に無き人ぞ梅雨寒し

                                                  (さて、誰の句だっけ・・)

              


2021年5月13日木曜日

火

 いちばん大切なのは、あなたがどれほどうまく火の中を歩いて行けるか、ということだ。

                     チャールス・ブコウスキ



              

2021年5月7日金曜日

義務

 「詩人には、政治的義務が一つだけある。

それは、自国語を腐敗から守るという義務だ。」

                                          W.H.オーデン(1907~1973)

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2021年4月30日金曜日

小舟

                                   ホベルト・メネスカウ 山田リオ訳

光の朝 太陽の祭り

そして やわらかな水色の海の上を 

小舟は滑って行く

すべてが夏 愛が生まれる

小舟は 海の上を

どこまでも どこまでも 滑って行く

知らないうちに 私たちの唄は海を離れ

そして太陽が 小舟と 光に くちづけする

限りなく青い日々

海を覆う太陽も やがて薄れて

小舟は 滑りつづける

そして 私は ただ 歌いたくて

南の島々 青い 青い 空

そして この小舟も 心も

唄の中を 滑って行く

すべてのやすらぎと あらゆるものを乗せて 

夏の静けさ そして 

小舟は行く

夕暮れが来る

小舟は行く

夕暮れが・・・

rio yamada


小舟


「小舟」というブラジルの歌です。
歌手は、ナラ・レアン。
今は、ときどきこの歌を聴きます。
私にとって、これ、心の薬です。
よく効きますw。

2021年4月24日土曜日

夕日

 (前略)

俊徳 (はじめて窓に向き)僕にも見えますよ。

級子 え? あなた・・・見えるの?

俊徳 見えるんですよ、あの真っ赤な空が。

級子 あなた! 見えるんですか? どうして今まで・・・

俊徳 これだけが見えるんです。はっきりと、事こまかに。

級子 まあ・・・

俊徳 あなたは入日だと思っているんでしょう。夕映えだと思っているんでしょう。違いますよ。あれはね、この世のおわりの景色なんです。(立って行って級子の肩に手をかける)いいですか。あれは夕日じゃありません! (後略)

三島由紀夫作 近代能楽集より、「弱法師」抜粋

弱法師(よろぼし)俊徳(としのり)級子(しなこ)




2021年4月21日水曜日