2021年9月30日木曜日

こんなにもしずかな指でひらくなら手紙の文字はさらさらの砂

                         岸原さや 



2021年9月20日月曜日

過去

 こしかたのゆめまぼろしの花野かな

              久保田万太郎(1889~1963)

2021年9月7日火曜日

猫の名前

猫の名前は、昔からカタカナで二文字、というのが多いようだ。猫に苗字を与える、ということはほとんど行われていない気がする。しかし、猫には、カタカナの下の名前より、きちんとした苗字をつけることが相応しいように 思われる。夏目漱石の「吾輩」の猫には、名前がなかったようだが、「苦沙弥」、とか、「水島」などという名前をつけても良さそうだ。内田百閒が愛した猫は「ノラ」という名前だったが、これも、やや納得が行かない。百鬼園先生の相棒、「平山」なんていうのもいいし、「甘木」という名字もいい。「甘木、ご飯だよ。」「甘木、仕事中だから邪魔するな。」とか。猫で有名な養老孟司先生が愛した、今は亡き「まる」。この「まる」に苗字を与えるとすれば、奥本大三郎の「奥本」、なんてどうかな。あるいは、南方熊楠の、「南方」は?

あ、これ、本気にしないでね。酔っ払いのたわ言ですからw。







2021年9月3日金曜日

 飯が炊ける香り

湯気の色

薪がはぜる音 

炎の色

いま ここにある 

いま 目の前を過ぎて行く

この 時間を 見ている

いま  

       山田リオ 09/04/2021

rio yamada photo


 

 

2021年9月1日水曜日

しばしばもわれに虚のときありぬうしろにかならず猫が来てゐる

街はもうポインセチアのころとなり生老病死みな火と思ふ

                小島ゆかり (1956~)