こんなにもしずかな指でひらくなら手紙の文字はさらさらの砂
岸原さや
猫の名前は、昔からカタカナで二文字、というのが多いようだ。猫に苗字を与える、ということはほとんど行われていない気がする。しかし、猫には、カタカナの下の名前より、きちんとした苗字をつけることが相応しいように 思われる。夏目漱石の「吾輩」の猫には、名前がなかったようだが、「苦沙弥」、とか、「水島」などという名前をつけても良さそうだ。内田百閒が愛した猫は「ノラ」という名前だったが、これも、やや納得が行かない。百鬼園先生の相棒、「平山」なんていうのもいいし、「甘木」という名字もいい。「甘木、ご飯だよ。」「甘木、仕事中だから邪魔するな。」とか。猫で有名な養老孟司先生が愛した、今は亡き「まる」。この「まる」に苗字を与えるとすれば、奥本大三郎の「奥本」、なんてどうかな。あるいは、南方熊楠の、「南方」は?
あ、これ、本気にしないでね。酔っ払いのたわ言ですからw。