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山田リオ
足が冷たい
真っ暗で 何も見えない
立っている場所は
何処なのか わからないが
足首から下が 水の中にあって
水のつめたさが 上がってくる
目を閉じ 方向を定め
右足を一歩 前に出す
空気は 動かない
水の匂いがする 音は聞こえない
つめたい 浅瀬の水の上を
歩き始める ゆっくりと
一歩 一歩 たしかめながら
つめたい 水の中を 目を閉じ 歩いて行く
山田リオ
だいぶ前 ぼくが砂漠に住んでいた頃
ある人が 変なものをくれた
「これは ドリームキャッチャー というもので
アメリカの先住民が 作ったんだ」
そういう説明だった つまり それは
夢を捕まえる為の道具だ と言うのだ
それは 直径5センチほどの白い輪っかで
木綿の紐と 糸と 鳥の羽で出来ている
輪の内側に 糸で螺旋状の網を 編んであって
そこに 白い鳥の羽を 何枚も編み込んである
持ってみると それは 思ったより軽くて
風が吹けば 飛んで行ってしまいそうだ
あれを手にしてから いろいろなことがあった
ぼくは あれから 夢を捕まえることができたのか
それとも できなかったのか
でも ああ そういえば
あの ドリームキャッチャー ぼくは
いったい どこに置いたんだろう
ゴミと間違えて 捨ててしまったのか
それとも あの 夢捕獲器は
もう ぼくには必要なくなったから
いなくなってしまったのか
きっと 夢捕獲器は いつのまにか
風に乗って 飛んで行ったんだろう
Copyright ©2004RioYamada
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