2019年8月31日土曜日

rio yamada photo

             山田リオ
足が冷たい
真っ暗で 何も見えない 
立っている場所は
何処なのか わからないが
足首から下が 水の中にあって
水のつめたさが 上がってくる
目を閉じ 方向を定め
右足を一歩 前に出す
空気は 動かない
水の匂いがする 音は聞こえない
つめたい 浅瀬の水の上を
歩き始める ゆっくりと 
一歩 一歩 たしかめながら
つめたい 水の中を 目を閉じ 歩いて行く

2019年8月24日土曜日

親しいハエトリグモ


この季節、室内でよく出会うハエトリグモくんです。
今朝は、すぐそばまできてくれたので ちょっと写真を。
非常に元気で 動きも機敏なので、
体調は良さそうです。

わたしの大切な知人 いや 知蜘蛛です。
こっちが勝手に「親しい」なんて思っているだけでしょうけれど。
でもね、水滴をあげると、
ちゃんと飲みます。 
この子がいてくれて、ダニを食べてくれるので
夏も快適に暮らせるのです。
「ぎゃー、クモ!!!」とか、
嫌わないであげてくださいね。

2019年8月23日金曜日


何処やらむかすかに虫の鳴くごとき心細さを今日もおぼゆる

              石川啄木(1886-1912)

2019年8月19日月曜日

篋底

宮澤賢治の短文に「おきなぐさ」というのがある。
今日は、そのおきなぐさの写真を載せることにした。

この詩日記を始めたのは2002年で、最初の詩日記は引越しを余儀なくされたため、
ここでは、日記の目次の最初のページは2011年から始まっている。
実際は、2011年の部分には、2002年4月20日から2011年の5月30日までを掲載した、
約、九年分の記事が詰まっていることになる。
かなり大量のデータだが、自分で書いたものだから、
読み返すと、やっぱり懐かしい。
色々あった時期の日記を読むと、忘れていたことも思い出す。 
                            山田
おきなぐさ 

2019年8月16日金曜日

空耳


              山田リオ
rio yamada photo
蝉の声がやんで 遠くから
なにか 聞こえたような気がして
耳を澄ませる 
何も聞こえない 蝉の声だけ
気のせいか 
遠雷も夕立も 希望的空耳
ポツポツ アスファルトに雨粒が落ちて
それから 涼しい風が立つ 
雨だ 真夏の夕立 いや
wishful thinking だな
そう うまくはいかないよ 
でも なんという湿度
むっとして 帰れば庭に柳かな か
むっとする 湿度の中で 今日も生きるのだな
でも 夕立が来ないのはなぜか
わたしは 夕立に見放されたのか
おい 夕立 なぜ来ない なんとか言え
ゴロゴロとでも 言ってみろ


2019年8月14日水曜日

虚無


「言葉はすべて、沈黙と虚無とに付着した無要な汚れのようなものだ。」

             サミュエル・ベケット(1906-1989)  (山田リオ訳)

2019年8月13日火曜日


短夜のあけゆく水の匂かな      短夜(みじかよ)

          久保田万太郎(1889-1963)

2019年8月11日日曜日

Rio Yamada Photo

運不運人の上にぞ雲の嶺

       久保田万太郎(1889-1963)

2019年8月10日土曜日

ひまはり


ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり

                   永井陽子(1951-2000)
rio yamada photo


2019年8月9日金曜日


さあここであなたは海になりなさい 鞄は持っていてあげるから

                笹井宏之(1982-2009)

2019年8月8日木曜日

Cicada

© rio yamada


ミンミンゼミの生涯。




ミンミンゼミの寿命は、
地下で暮らす幼虫の時間を含めて、
二年から四年と言われる。
地上に出て、羽化して成虫になってから、
およそ三週間生きる。
でも、暑さに弱く、熱波の夏には短命。

2019年8月7日水曜日

おねがい



死にたくない
できれば 死にたくない
なんとか お願いできませんかね
だって
死んだらPaulinho da Viola 聴けなくなるから

             やまだ

ハサミムシ


あかるいの いや
くらいところ すき

かわいたの だめ
しめったところ いい

うえきばちの したとか
そういう ところ

しずかに くらす
おれ はさみむし
         やまだ りお

2019年8月6日火曜日

新生児

■2008/09/15 (月) 新生児

            山田リオ

声に出して読まれなかった詩は
演奏されない楽譜のようです
それは
生まれなかった赤ん坊です

あなたが声に出して読んでくださることで
はじめて
詩は命を得ます
あなたが声に出して読んでくださるたびに
何度でも
詩は新生児となって
この世に生まれ出るのです
Copyright ©2008RioYamada

2019年8月4日日曜日

至上の



昼食には、
まず、堅くて黒いパン、
ブルーチーズ、
生のブドウと、
そして赤ワインがあれば、もう・・・

私にとって、これが最上の昼食だなあ、と。
さっき思いました。