焼き鳥、と言っても、ここは鶏肉専門店ではありません。
この町では、たぶん唯一の、博多風焼き鳥の店。
つまり、鶏、豚、牛、魚、野菜、すべて焼いてくれる。
ここでは、それをぜんぶひっくるめて、「焼き鳥」と言う。
すわると、とりあえず、キャベツが大皿に山盛りで出てくる。
これは、言うまでもなく、柚子胡椒と、ポン酢でいただきます。
もちろんキャベツは、おかわり自由。
キャベツを食べながら、芋焼酎を飲む。
そこで、あゆむさんが、あの美声で「乾杯~~」と叫ぶので、
こっちも乾杯する。
乾杯しながら、注文書類に第一ラウンドの注文を書き込む。
当然の事ですが、豚バラに始まって、豚バラに終わる。
その間に、鶏つくね、鶏のネギマ、軟骨、タマネギなどを
豚バラ |
何一つ言わないでも、すわったとたんに、
あゆむさんは、もう、豚バラの焼きに入ります。
備長炭はすでに真っ赤。
あゆむさんは、けっして急ぎません。
じんわりと、ゆっくりと焼きます。
あたたかな焼き色をつけながら、
毒蛇のように、急がない。
あゆむさんが好きなのは、焼きが上手いこともあるけれど、
その人柄ももちろんなんですが、店で一番の男前だということ。
若くはないけど、男前。
すみません、キャベツ、もっとください。
なんて言ってる間に、海老が焼けています。
大ぶりの、殻付きブラックタイガー、これは、焼けても、殻を剥かないで、
そのまま、マヨネーズを付けて食べます。
殻が香ばしいんだからね。
殻を剥いちゃあ、ぶちこわしです。
あ、芋焼酎、ロックでもう一杯ね。
カウンターの中には、やたらに日本語が上手い、白人のイアンさんもいる。
イアンさんが、アメリカ人の注文を取ってる。
ちょっと邪魔してやろう。イアンさん、ちょっとちょっと、
どうでもいいけど、あんた英語うまいねえ。
タマネギが旨い。アスパラを豚バラで巻いたのも、いい。
しいたけもね。ああ、もう第一ラウンド終わりだ。
じゃ追加の第二ラウンドね。
豚足ね、それから、鶏手羽先、牛肉はなにがいいの?ああ、それがいい。
それから、軟骨もう一回たのもう。塩で。
で、豚バラ、4本。
なんて言ってる間に、もう焼きおにぎりの時間です。
焼きおにぎりですが、三角の、あの、角っこのとこが、一番旨いのね。
はい。帰ります。
ごちそうさま。
また来ます。
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