2022年6月19日日曜日

風

空の 高いところでは 風が吹いているらしい

風のことなら 雲に訊けば いい

あのあたりは たぶん 涼しくて

気持ちのいい風が 吹いているんだろう

雲が そう言っているんだから きっとそう

風のことなら いつだって 雲に訊けばいいのさ

                  山田リオ

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2022年6月14日火曜日

美濃部孝蔵

手拭も柄が悪いと手を拭かれ

焼きたてのさんまに客のくるつらさ

味の素あまり不思議でなめてみる

同業に悪く言われて金が出来

のみの子が親のかたきと爪を見る 

               古今亭志ん生 (1890~1973)

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2022年6月13日月曜日

JSB

無伴奏のチェロ曲をバスーン(ファゴット)で演奏しています

この人、好き ヴァハン・クルドイアン    RY
 

2022年6月10日金曜日

閑雅な食慾

             萩原朔太郎 (1886~1942)

松林の中を歩いて
あかるい気分の珈琲店をみた。
遠く市街を離れたところで
だれも訪づれてくるひとさへなく
林間の かくされた 追憶の夢の中の珈琲店である。
をとめは恋恋の羞をふくんで
あけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組
私はゆつたりとふほふくを取つて
おむれつ ふらいの類を喰べた。
空には白い雲が浮んで
たいそう閑雅な食慾である


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2022年5月28日土曜日

ああ。

もうすこし 落ち着いたら もうちょっとだけ 安心になったら

そう思いながら ずいぶんと 時間が過ぎていった

辛抱も いい加減 疲れたなあ と 思いながら

いくらなんでも そろそろ どこか 近場の温泉で 一泊だけ

そう思うのは しかたないでしょうよ うんと 我慢したんだから さ

でもなあ 目の前に あの 豪華な料理が並ぶのを想像すると 心がメゲる

大食い大会じゃないし 普段食べられないような贅沢なものを なんて 思わない

お刺身盛り合わせも 冷めた天ぷらも いらない

動物性脂肪分満載の和牛 も いらない 

そうじゃなくて なにか 地元の 山菜とか 野菜の料理を すこし

それと 炊きたてのご飯と お酒 それで ほかには 何もいらない

静かなところで 山や森や川の音だけを聞いて ゆっくり お風呂に入って

時が 目の前を過ぎていくのを じっと 見送っているだけ それで いいんだ

それで いいんだけど なんでかなあ そういう 温泉宿って 

見つからないんだよ ね          R.Y.

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2022年5月25日水曜日

いつくしみ

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2020年6月10日水曜日

母が己が独り児を命を賭けて護るように、
そのように一切の生きとし生けるものに対しても、
無量の慈しみ(いつくしみ)のこころを起こすべし。

     「スッタニパータ」より                                             
     ゴータマ・ブッダ(紀元前五世紀) 
         訳:中村元(1912~1999)

2022年5月21日土曜日

爪

 沈黙はうっすらと苔むしていてどうにもならぬ 爪、入るるなり

              笹井宏之 (1982~2009)








2022年5月17日火曜日

余白

 コーヒーの香りをデスクに置いたまま朝までひとりの余白に眠る

                   大西久美子

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2022年5月16日月曜日

雨音

 一日雨音しつとり咳をして居る

             尾崎放哉 (1885~1926)

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2022年5月14日土曜日

切手

 破かれるかもしれない葉書潮風に過去への切手きっちりと貼る

                 永井陽子 (1951~2000)


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2022年5月12日木曜日

あなた

急ぐ必要は ない

輝く必要も ない

あなたは あなた自身以外の 誰である必要もない

          ヴァージニア・ウルフ (1882~1941) 山田リオ訳



            



2022年5月9日月曜日

寂寥

 寂寥へ到る途は

かならずしもくらいものではない

むしろそれは奇妙な

明るさにあふれている

そののち突如として

訪れる言葉を

私たちが知らないだけなのだ

               石原吉郎 (1915~1977)

2022年5月2日月曜日

音

ポストに落としたわが手紙の音ばかり

落葉ふんで来る音が犬であった

線香が折れる音も立てない

           尾崎放哉 (1885~1926)



2022年4月18日月曜日

My one and only love

             

            しつこいようですが これ 大好きなので

   いつも 思い出して やさしい きもちになります

   アート・テイタムとベン・ウエブスター

   この二人の演奏で この曲です・・・

   saudade  サウダージ です

   さまざまなこと思ひ出す桜かな 芭蕉     



 

2022年4月17日日曜日

豊かさ

私が たっぷり持っているものが あるとすれば

それは よくわからない 不確かなものばかりだ

そういうものなら 私は いっぱい 持っている

確かなことなんか 私には 何ひとつ ない

私にとって それで 十分なのだ

         ホルヘ・ルイス・ボルヘス (1899~1986) 訳:山田リオ

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2022年4月10日日曜日

今

山田リオ

そんなふうに 桜は おわった

いつか ふたたび この目で 桜を 見ることがあるのか

それは 考えない 考えないようにする

だって 明日 自分の命が いや それどころか 

世界がどうなるかだって わからないのだから 

でも 自殺しようとかは 思わない

だって 今日は 今は 生きているんだから

明日のことを 心配するのは 無意味なこと

今 この時 たしかに 自分は まだ 生きている

そのことを ありがたく思って 

笑っていよう そうしよう







2022年4月5日火曜日

未来

くずおれやすい未来を抱いて立っている頭上にいちめん軋む夏空

                   永井陽子 (1951~2000)

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2022年4月2日土曜日

苔の森

 花を散らす雨の朝 桜の木の幹に 青木ヶ原樹海を見つけた   

                                                                                         R.Y.

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2022年4月1日金曜日

幸福


 

■2002/05/13 (月))

『ア・フェリシダージ』は、ブラジルの映画「黒いオルフェ」に使われた歌。
ブラジルの詩人、ヴィニシウス・ジ・モライス作詩。
アントニオ・カルロス・ジョビン作曲。
**************************************

A  Felicidade(幸福)
 
      ヴィ二シウス・ジ・モライス (1927-1994)
                                           翻訳:(ポルトガルー日)山田リオ

悲しみには終わりがない。
幸福には、終わりがある。

幸福は、風に浮かぶ羽根のように
その短い命を軽々と飛び過ぎる。
必要なのは、そよ風だけ。

貧しい人の幸福は
あのカーニバルの、巨大な幻覚。
一年中、働くのは
王様や、海賊、庭師、
そんな、一瞬の夢を見るため。

悲しみには終わりがない。
幸福には、終わりがある。

幸福は、花びらの上の朝露のように
かすかにふるえて、静かに光る。
それから、愛の涙になって、落ちる。

わたしの幸福は、
あなたの瞳の中の夢。
夜が、夜明けを求めて
過ぎ去り、過ぎ去って行くように。
だから、お願いだから、
小さな声でささやいて。
あなたの一日が始まるときに
愛の口づけで目覚めるように。

幸福は、気が変になりそうで
そのくせ、とても繊細で、はかない。

それはすべての花に
すべての色があるように
すべての小鳥の巣には
すべてのやさしさがあるように

幸福は、それほどにもこわれやすいから
わたしは、いつも気をつけて、
大切に。この手のなかに。
                                         Copyright © 2002Rio Yamada



2022年3月31日木曜日

花

 春の嵐の夜が明けて 別れの朝 

               R.Y.

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2022年3月29日火曜日

雲

 千切れつつ増えゆく雲を眺めをり人に生まれてからといふもの

                笹井宏之 (1982~2009)



 





2022年3月28日月曜日

野上彰

今日は 朝五時に起きて 出かけて
一日 病院にいました そして
夕方 帰ってきて 疲れていたけれど
ひさしぶりに お酒を呑みました
ずっと 野上彰のことを 思っていて
野上彰のこと 前奏曲のことが 頭から離れなくて
今も 前奏曲のことを 野上彰のことを
思っています
           山田リオ

  イブキトラノオ


 

2022年3月25日金曜日

花

天空をながるるさくら春十五夜世界はいまなんと大きな時計

               永井陽子 (1951~2000)

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2022年3月22日火曜日

花

 命二つの中に生きたる桜かな

              芭蕉 (1644~1694)

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2022年3月19日土曜日

声

 たどりつきたいカフェまでの誰も知らない路地裏を行くように会う

缶の底一つ残ったドロップは夕日の色だ あしたは晴れる

ねえきみの声がすきだよ雨ふりの夜はいっしょに眠っていいかな

                嶋田さくらこ



2022年3月14日月曜日

Garua


以前に歌詞を翻訳しました。このブログに掲載してあります。

「雨」という題名のタンゴです。

ロベルト・ゴジェネチェの唄、

アニバル・トロイロのバンドネオン。


2022年3月11日金曜日

春

 この春の 最初の蘭が 開こうとしています

この星に住む みんなが おだやかに 生きられますように

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2022年3月9日水曜日

空

 夜が明けて わたしは まだ 生きている

こんな朝 何を唄ったら いいのか

思えば わたしたちは いつだって

いくつも 空が落ちてくるような そんな世界で 

生きたり 出会ったり 愛したり

別れたり 唄ったり 歩いたり   

生まれたり 死んだりを 

くりかえしてきたのかもしれない

生きているのは すごいことだ

だから今日は 今は 生きているんだから

感謝して せいいっぱい 生きよう

               山田リオCopyright ©2022RioYamada

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2022年3月7日月曜日

寒椿

 ことごとに人待つ心寒椿

            中村汀女

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2022年3月1日火曜日

顔

街角に黒き日傘をとぢる指 あなたの顔が思ひ出せない 

                  大西久美子