2020年11月4日水曜日

風

 あの風のことは憶えている、

あのライラックの花も、

あの灰色も、あの香りも、

あの歌も、そして、あの風も。

でも、あの天使が言ったことだけは、

どうしても思い出せない。

アレハンドラ・ピサルニクAlejandra Pizarnik(1936~1972) 訳:山田リオ

2020年10月27日火曜日

いつも

 いつも どんな時も 

ほんの一瞬でも ほんの少しでも 

心が沈むことがあってはいけない 

いつも どんな時も ほんの一瞬でも

心に怒りが生まれた時には

急いで 踏み消さなければいけない

                                          R.Y.

2020年10月24日土曜日

N先生


今日は、N先生のオンライン集中講義。

正味4時間、あっという間に過ぎた。

濃い時間だった。


 

2020年10月20日火曜日

堅い、そして、

 Baguette, バケット、ではない。バゲット、いや、バにアクセントではない、ゲにアクセント。でも、最後のトは、サイレントのT、母音は無し, 舌の先が出す t、という音だけ。何を言ってるんだか。気に入ったバゲットを常に探している。それも、硬いやつ。できれば、皮だけで、中身の柔らかい部分はなくてもいい、いや、ふわふわのパンは、ない方がいい。ああ言うものは、人生には必要ない。そう、硬い、皮だけの、baguette、どこかにないだろうか。でも、それだけではなくて、あの、焼きあがったバゲットの独特の香り、そして、あの、しっかりとした皮の部分を奥歯で何度も噛んで、噛み締めて、また噛んでいったときに出てくる、深い麦と酵母の味が更に大切なわけで、そういうやつにバター、それも無塩バターをつけるか、またはブリーなんかのチーズを乗せて、赤ワインを呑みながら食う。そう言う理想的なパンのある生活。これを、私は、幸福と呼ぼう。







2020年10月14日水曜日

2020年10月13日火曜日

秋

今年も、友達が丹波の栗を送ってくれたので、  さっそく焼き栗にして、いただきました。    秋の味です。     や

 



2020年10月8日木曜日

夜明け前

眠れないまま明け方になって、ベッドの中でラジオを聴いていた。
 柳田邦男という人が、絵本のことを話していた。 
それを聴きながら、いろいろなことを思った。
 柳田さんが話した「星の王子さま」のこと、 
それから、なぜか、遠藤周作の「深い河」のこと。 
様々な出会いのこと、
そして、亡くなった叔父のことを思い出した。 
薔薇と盆栽を育てるのが好きだった叔父。 
小さい頃、母子家庭だった僕を、夏休みの間、
叔父の親戚の、海のそばの家にずっと泊まらせてくれたこと。 
大学生の時に、僕が大きな決断をする際、
非常に強い口調で、僕の決断を支持してくれたこと。 
後にも先にも、彼が、そういう真面目な話をしたのはその時だけだった。 
夜明け前のベッドの中で、その時のことを思い出していた。                         山田リオ
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2020年9月27日日曜日

白

花柄のテーブルクロスのみ白しすべてのひととこころへだたる   永井陽子(1951~2000)
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2020年9月23日水曜日

Muito obrigado.

いつもいつも ずっと 永いあいだ  読んでくれて ほんとう
に ありがとう。

2020年9月16日水曜日

光

外は 光が いっぱい

庭は 色が いっぱい 

それを 暗い部屋の 中から 見ている

暗い部屋の 中から

光あふれる 外の世界を 見ている

光あふれる うつくしい 世界を

    山田リオ Copyright ©2020RioYamada 


 ©RioYamada 


2020年9月14日月曜日

夜の風 

■2007/07/26 (木) 

「夜の風」
                 山田リオ
一ヶ月前にユタに来ました
ユタは山のむこうにまた山があって
どこまでもはてしなく山です
するどく尖った山 すこしゆったりした山
平らなところは ポプラの林
夜になると 人工の灯りが少ないので
星のない夜は 真の闇を見ることができます
闇の中を 夜明けまで絶えず
しっかりした 一定の風が吹いているので
闇のなかで ポプラの葉が風に吹かれているのが
見えます 見える気がします
夜の風は
きもちのよい風で
いつまでもこの風に吹かれていたいと
思います     Copyright ©2007RioYamada   
rio yamada photo

   


   

2020年9月13日日曜日

はこべ



私の所有に帰するなにものもあらざれば美しはこべのみどり 
        永井陽子(1951~2000) 私(わたくし)  美し(はし)

2020年8月30日日曜日

渡邊の叔母のこと 再録

 

■2006/08/19 (土) 

                          山田リオ
渡邊の叔母のことを書いておこうと思う。
亡くなられてからずいぶん月日が流れたのだが、いまだにこの人は側にいるような気がするのだ。
叔母と言っても、たぶん遠縁の親戚で、詳しいことは、今となってはわからない。
私が小学校に入った頃には、もう七十歳にはなっておられたと思う。
おそらくご自宅での居心地がよくなかったのか、頻繁に訪れて、仏間に座っておられた。話し相手といえば、小学生の私しかいないのである。
したがって、わたしが学校から帰る時間を見計らって訪問されたように思われる。

いつでも、完全無欠の上品な和服、そして羽織、白足袋の足の裏が汚れていたことなど、ただの一度もなかった。
わたしがどういう種類の子供であったのかもよくわかる。つまり、足袋の足裏の汚れなどを気にして見るような子供だったのだろう。
そういう子供だったからこそ、渡邊の叔母はわたしを話し相手に選んだのではないか。
小学校低学年のころから年配の女性の好む「枯れた」話題を一時間でも二時間でも話し合って、かつ退屈することはなかったのだろう。
そればかりか、彼女が決して口にすることはなくとも、どんな思いを抱いてその老後を生きていたのか、わたしは子供ながら心にしみて感じていた。
だからこそ、今になっても、ときどき彼女のことを思い出すのだ。
あの、しゃりしゃりの薄紫の羽織や、灰色の絽の着物の手触りと共に。

2020年8月25日火曜日

海

 





さあここであなたは海になりなさい
鞄は持っていてあげるから

         笹井宏之(1982~2009)

2020年8月24日月曜日

夏

 終はらない夏が誰にもあることをさやいんげん刻みつつ思へり

                         笹井宏之(1982~2009)


2020年8月7日金曜日

淵と瀬

世の中はなにか常なる飛鳥川

昨日の淵ぞ今日は瀬になる

  古今和歌集 詠み人知らず

 


2020年8月4日火曜日

キョウ

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キョウデキルコトヲキョウヤル
イマハイマヲイキイキトイキル  

      ヤマダリオ

2020年7月29日水曜日

虫喰い

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いつの間にか
幼虫が 葉っぱを齧った
しかし
幼虫が 葉っぱをかじるのは
生きるため 育つために
ごく あたりまえこと

   山田リオ

2020年7月28日火曜日

2020年7月19日日曜日

情緒

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過去なしに出し抜けに存在する人というものはない。
その人とはその人の過去のことである。
その過去のエキスが情緒である。
だから情緒の総和がその人である。

            岡潔(1901〜1978)

2020年7月15日水曜日

灰

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詩は 人生の証拠に過ぎない
もし 人生がよく燃ているなら
詩は ただの灰だ

   レナード・コーエン(1934~2016)  訳:山田リオ

2020年7月10日金曜日

木のあいさつ

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ある日 木があいさつした
といっても
おじぎしたのでは
ありません
ある日 木が立っていた
というのが
木のあいさつです
そして 木がついに
いっぽんの木であるとき
木はあいさつ
そのものです
ですから 木が
とっくに死んで
枯れてしまっても
木は
あいさつしている
ことになるのです

        石原吉郎(1915~1977)

2020年7月4日土曜日

Anat Cohen And Trio Brasileiro 'Murmurando'



またショーロです。
クラリネットのアナット・コーエンとトリオ・ブラジレイロの演奏は、好きなので。
これは、「つぶやき」という曲です。     ヤマダ

2020年7月1日水曜日

晴れた朝

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友達のアダンソンハエトリグモ。
今朝も元気です。
すごいスピードで動き回っています。
彼は 多分
何ひとつ 心配な事がないようです。


2020年6月23日火曜日

色

rio yamada

思い出しているわけじゃない
うしろをふりかえっているわけじゃない

ただ 
あの色が
目の奥に残って
消えないだけ


        山田リオ Copyright©2020RioYamada

2020年6月19日金曜日

TRIO BRASILEIRO - VIBRAÇÕES (Jacob do Bandolim) - Douglas Lora, Dudu Mai...



トリオ・ブラジレイロというグループの演奏するショーロです。
詩から離れてきたようですが、ここでは随分前からブラジルのことを書いています。
ブラジルといえばボサノヴァ、という考えは狭すぎます。
ブラジルには様々な、素晴らしい伝統音楽がありますから。    ヤマダ

2020年6月10日水曜日

いつくしみ


母が己が独り児を命を賭けて護るように、
そのように一切の生きとし生けるものに対しても、
無量の慈しみ(いつくしみ)のこころを起こすべし。

     「スッタニパータ」より                                             
     ゴータマ・ブッダ(紀元前五世紀) 
         訳:中村元(1912~1999)

2020年6月7日日曜日

円空

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歓喜(よろこび)は いつも絶やせぬ春なれや
浮世の人を 花とこそ見れ

         円空  (1632~1695)