2019年11月29日金曜日

夏

Estate (夏)
      ブルーノ・ブリゲッティ(イタリア) 翻訳:山田リオ

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夏は 過ぎ去った口付けのように熱く
なくしてしまった恋でいっぱいだ
もう なにもかも忘れてしまいたい 夏

私たちをあたためてくれた 夏
それは素晴らしい夕日をもたらし
今はただ わたしを激しく焼く

やがて冬がめぐって来て
無数のバラの花びらは散り
雪がすべてをおおいつくして
束の間の平和を与えてくれる

花々に香りをもたらした 夏
私たちの恋を創造してくれた 夏
あの素晴らしい夏が去った今
残されたのは 心の痛みだけ

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イタリア人のブルーノ・ブリゲッティが作詞した「夏」は、
ブラジル人のジョアン・ジウベルトが歌って有名になりました。どうも、知らない言葉が多いなあ、と思ったら、ポルトガル語ではなく、イタリア語だったわけです。
イタリア語の歌詞をそのまま歌ったということで、ブラジルでは珍しい歌です。 山田

2019年11月25日月曜日

まぼろし

   (イルザオン・トア)
      詩:アウフレド・ジョセ・シウヴァ(ブラジル)訳:山田リオ

見てごらん あなたの眼から たった一日分の距離
ほんの少しの差で わたしは 愛を失ってしまった
いまは 全世界が ひどく悲しいだけの場所だから
それでも なぜか あなたは今も すぐそばにいる
もう あの ひそかな思いなんか捨ててしまおうと
そう思い切ることができた自分に 感謝していても
そう あの たった一人に向ける ひそかな思いが
でも あなたは それに 全く気がつかないままで
あなたのまぼろしの重さに 打ちひしがれている私
  

2019年11月23日土曜日

朝露

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雨と風の日々がつづいて 
やっと 陽がさしてきた 
いいことがありそうな朝

2019年11月17日日曜日

無言

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人は、時には、語らなければいけない。
無言が全てを語ってしまうのを避けるために。

      ヘルタ・ミュラー(1953~)

2019年11月14日木曜日

向日葵


ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり

             永井陽子(1951~2000)
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2019年11月13日水曜日

わたしの好きな

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          山田リオ

今日は いい雲に出会ったので
コレクションに加えた
好きな雲が すぐに消えてしまう雲が
これで 手元に残せる

好きなクラシックの演奏家の録音を
今日もまた 再生して 聴いている
それは 静かで ゆるやかなので
聴けば しばらくは幸福になれる
いつでも 何度でも 幸福になれる

前から好きだと思っていた画家
世間では あまり人気のない画家
でも その人の描いた 絵を見つけて
何度も出してきて 見ている
見るたびに 心がいっぱいになって 
うれしくて 笑顔になってしまう

2019年11月12日火曜日

つわぶきの花


いくたびか時雨のあめのかかりたる
石蕗の花もつひに終わりぬ

       斎藤茂吉(1882~1953)

                                 時雨 (しぐれ)
        石蕗 (つわぶき)

2019年11月7日木曜日

茂吉


うつしみはついに悲しとおもへども
迫り来ひとのいのちの悲しさ

          斎藤茂吉(1882~1953)

2019年11月6日水曜日

初霜


門の辺の八つ手の霜を思ふかな

かどのべのやつでのしもをおもうかな

       久保田万太郎(1889~1963)


 

2019年11月5日火曜日

海


さあここであなたは海になりなさい
鞄は持っていてあげるから

         笹井宏之(1982~2009)

2019年11月3日日曜日

光る海

           山田リオ
rio yamada

海に出て行くというとき
豪華客船を選ぶ人がいる
決して沈まない そのまま一生 
安全安定の 船で行く旅

一方 少し大きな波が来たら
すぐに沈んでしまいそうな 小舟
そういう舟で 海に出る
そんな航海も ある

運悪く 小舟が転覆した時には
また別の小舟を見つけ 旅を続ける
毎日が冒険 明日はどうなるか わからない
でも 毎日が新しくて ドキドキする旅

そして 旅の終わりが来たら
「楽しかったね」「面白かったね」
そう言って笑えるような そういう
小舟の旅を 選ぶ人もいるんだよ

2019年11月2日土曜日

猫

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あの猫のことを思い出している時間

             山田リオ

2019年10月31日木曜日

笑顔

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人生は笑って生きるだけでいいんです。

         関 頑亭 (1919~)

2019年10月27日日曜日

Premonition Dream 予知夢

             山田リオ
幼い頃に見た夢を
何度も 繰り返し 見ることがある
永い間 忘れていた
幼い頃の あの晩の あの夢を
ある夜 また そっくり あの時のまま 
もう一度 あらためて 見る
目覚めて ああ あの夢だった と思う
そして 今ここで 現実に起こっていることを
あの時 まえもって 見ていたのだと 気がつく
そういう夢を 今朝また 夜明け前に見た
ああ あの時の あの夢だ
そうだったのか
おしえてくれて ありがとう と
なにか わからないものに向かって 言う
でも それが いったい何の役に立ったのか
わたしは 知らない 

2019年10月26日土曜日

ただ一度

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写真は、NY時代に録音したCDアルバムのジャケットの一部です。思い出深いものなので、ここに入れておこうと思います。

説明するのもヤボですが、この四色のデザインは、もちろん、ブラジル、アメリカ、日本、三ヶ国の国旗を意識したものになっております。

全八曲、すべて僕のオリジナル曲ですが、NYのジャズのミュージシャンとブラジルのサンバのミュージシャン、それに、ぼくも演奏したのですが、一発勝負で録音しました。

何しろインプロヴで、やり直しが効かないものなんで、今聞くと、かなりヤバいのもあります。

でも、あの頃、みんなでワイワイやりながらの多国籍セッションは、ホント、懐かしい。
あのメンバーが集まることは、もう不可能です。
二度とできない、やり直しがきかないこと、人生には、いっぱいありますねw。
今は・・
サウダージ。。。
                         山田
  

2019年10月22日火曜日

ここに

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仏法ははるかにあらず
心中にしてすなわち近し

       空海

2019年10月18日金曜日

おはよう、胸の痛み 再録

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2007/03/29
Ervin Drake(1919-2015) 作詞 訳:山田リオ

おはよう 胸の痛み
あいかわらず 暗いね
おはよう 胸の痛み
昨日の晩 さよなら言ったはずなのに
私が眠れずに 寝返り打っているうちに
あんたは 行ってしまったと思ったのに
夜が明けたら やっぱりここにいる

あんたを 忘れたいのに
あんたは ここに住み着いた
あんたに 初めて会ったのは
私の恋が 去って行った後だった
今じゃ 毎日が あんたへの挨拶で始まる
「おはよう 胸の痛み どう?」

つきまとうのを やめてほしい
でもあんたは ここにいる
一人に なりたいのに
月曜日から 憂鬱で
日曜日まで ずっと憂鬱で

おはよう 胸の痛み
また 一緒だね
あんただけだよ  私をわかってくれるのは
あんたがここにいるのに もう慣れた方がいいね
おはよう 胸の痛み 座りなよ・・・

2019年10月17日木曜日

ねむり

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極上の時は
あたたかい 囲炉裏のそば
炭火のはぜる音 匂い
秋は深まる 夜は更ける
知らないうちに 眠りに落ちて
そんなふうに 一生を終われたら
どんなにか 幸せだろう

        山田リオ

2019年10月12日土曜日

祝杯の意味


Carmen McRae

誰がなんと言おうと、
今日はカーメン・マクレイを聴く。

聴いて、聴いて、聴きまくる。

そう決めたのだ。
そういう日があっても、いいのだ。

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昨日今日、いろんなことがありました。
悲しいことが、たくさん、たくさんあります。
どこかの遠い町でも、すぐそばでも、
僕の年齢になってくると、
知人友人、身近な人、大切な人たちにも、
どうしたらいいかわからないほど、悲しいことが
次々に起こるようになってきます。
それが、生きているということです。
だから、せめて、何か、ほんの小さなことでも、
何か、祝えることがある時には、
祝杯をあげてもいいんじゃないか、と思いました。
たまには、ほんの小さなことでいいから、何か、祝えることがある間は、
祝杯をあげても許されるだろう、と。
そう思いました。          山田

2019年10月9日水曜日

ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記のこと

リチウムイオン電池の吉野彰さんのノーベル化学賞受賞ニュースを見ていて、宮澤賢治が1930年代に書いた「グスコーブドリの伝記」を思い出した。たしか、その中で、潮汐発電のことが書かれていたからだ。潮汐発電、太陽光発電、風力発電、そして、それら全てに必要なリチウムイオン電池、どれも、地球温暖化や環境破壊と戦うための手段なのだが、今から90年も前に、賢治は、もうすでに、そういうことを考えていたんだなあ、と思った。だから、やっぱり、賢治は賢治なんだ。

「グスコーブドリの伝記」と関連して、未完だった「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」と言う作品があって、今ではなかなか手に入らない本だが、青空文庫やKindleなどで読むことができる。これは大好きなお話なのだが、結末が書かれないままに終わっている。あるいは書かれていたが、失われたのかもしれない。
そう言えば、「ペンネンノルデは今はいないよ、太陽の棘を取りに行ったよ」と言うのもあったなあ。でも、どの作品だったのか。思い出せない。

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2019年10月4日金曜日

なんだっけ

© rio yamada

道の上に 銀杏の実が落ちている
なぜか 立ち止まる
なんだか 気になる
なにか 大事なことを忘れているようで
でも 思い出せない
考えながら 銀杏の実を見下ろして
でもやっぱり 思い出せない
なんだっけ
自分は 何を忘れたんだろう

                              山田リオ 2019© rio yamada

2019年9月30日月曜日

足音

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遠くから近付いて来る足音を聞いている

           山田リオ

2019年9月29日日曜日

Meaning of life

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もしかしたら
わたしにとって 生きる意味とは
お気に入りの コーヒーポットで淹れた
とろりと濃い デミタスの珈琲の 
味と香りを楽しみながら 
あの ゆるやかで 静かな音楽を聴く
それだけのこと なのかも 知れない

         山田リオ



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いま、カーソン・マッカラーズという作家の「心は孤独な狩人」という小説に出会って、
なんだか、とてもぴったりくるので、夢中になって読んでいます。
この作家はアメリカの女性ですが。
いや、ただそれだけなんですけど、急に書きたくなったので。    やまだ

PS  掲載して、あとから気がついたけど、このコーヒーの詩、江國香織さんのにすごく似ているよね汗;;;すみません・・・
PPS でもね、この写真、気に入っているんだよね・・(自己満足)
    

2019年9月25日水曜日

曼珠沙華

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まんじゅ沙華さけるを見つつ心さへ
つかれてをかの畑こえにけり

               茂吉

2019年9月24日火曜日

ひとり

                    山田リオ    
あなたのまわりを流れる時間は
ほかのどんな時間にも似ていない
あなたから生まれる言葉は
ほかのどんな言葉ともちがう
どんな人間にも
動物にも植物にも鉱物にも
あなたは似ていない
なぜならあなたは
この宇宙に
たったひとり    Copyright©2016RioYamada

2019年9月16日月曜日

艶

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雨に濡れる 石蕗(つわぶき)
子供の頃は つわぶき ではなく
艶蕗(つやぶき)だと 思っていた
でも大人は つわぶきだ と言うので
なんでだろう と思った
今見る 雨の石蕗は 
湿り気を帯びた 空気の中  
ぬれぬれとして つややかで
なつかしい

         山田リオ

2019年9月15日日曜日

完璧


「完璧な行動は、完全な無頓着によってのみ生まれる」

                 チェザーレ・パヴェーゼ (1908-1950)
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2019年9月14日土曜日

Last rose of summer


一人で生きていけるほど 強くはない でも
仲間がいないと不安になるほど 弱くもない

                山田リオ

 

2019年9月11日水曜日

蜂


今 出逢ったばかりなのに
もう 行っちゃうのかい