カトゥーロ・カステイーヨ (男性、アルゼンチン1906~1975)
記憶は つむじ風と共に 蘇る
あれは 秋の夕暮れのこと
私は 降る雨を見ている
雨を見ながら コーヒーのスプーンを動かして
あの 最後のコーヒーのあと
あなたの唇は 冷たいだろう
そう問いかける ため息交じりの声が 聞こえた
あなたの軽蔑が なぜか まだここに
あなたはもういないのに 声が聞こえる
二人の関係が終わった あの時あなたは
甘くて苦い味のする さよならを言った
そう コーヒーと同じ
愛よりも 忘れ去ることよりも
本当に最後の わけのわからない
炎のような 怒りとめまい
そうだ あのとき私は
不信感の隣に立って 死んでいた
あなたの自己愛を知った あの時
私は 私の寂しさの理由を 理解した
雨が降っていた そして 私はあなたに
最後の 一杯のコーヒーを 差し出した
訳:山田リオ
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© rio yamada |
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