2012年4月14日土曜日

ダニーボーイ(再録)



■2004/12/15 (水) ダニーボーイ DANNY BOY (アイルランド民謡、作者不詳)
訳:山田 りお



(ダニーボーイです。
『・・・いとしの汝を父君のかたみとし・・』云々という日本語訳は、あまりにも原詩とかけ離れた物なので、ここに英語の原文(伝承)と、できるだけ直訳したものを掲載します。)

ダニーボーイ(ロンドンデリーの唄)
アイルランドで継承されてきたこの唄は、父と、その四人の息子の物語です。

上の三人の息子は、みんな、すでに戦争で死んでしまいました。
一人残った末息子のダニーも今は16歳になり、戦争に行かなければならない年になりました。「笛の音」は、その知らせでした。

そして父は考えます。「もし万が一、ダニーが生きて帰ってくるとしても、自分はそれまで生きていないだろう。それに、全ての息子たちを失うかもしれない不安と悲しみで、自分は死んでしまうかもしれない。」父は、そう覚悟します。

この唄は、父の、末息子への別れの唄です。

Londonderry Air  

Oh Danny boy, the pipes, the pipes are calling
From glen to glen, and down the mountain side
The summer's gone, and all the flowers are dying
'tis you, 'tis you must go and I must bide.

But come ye home when summer's in the meadow
Or when the valley's hushed and white with snow
'tis I'll be here in sunshine or in shadow
Oh Danny boy, oh Danny boy, I love you so.

And if you come when all the flowers are dying
And I am dead as dead I well may be
You'll come and find the place where I am lying
And kneel and say an Ave there for me.

And I shall hear tho' softly tread above me
And all my dreams will warm and sweeter be
If you'll not fail to tell me that you love me
I'll simply sleep in peace until you come to me.

ダニーボーイ (訳:山田リオ)

おお、ダニー、笛の音は谷から谷へ
山肌を渡っておまえを呼ぶ
夏は去り、すべての花が死んでゆくとき
おまえは行かねばならず、わたしは一人残される

でも、帰っておいで、草地に夏が来るころか
谷間が静まりかえって、雪で白くなるころ
日差しの中で、影の中で、わたしは待っているから
おお、ダニー、おまえを愛しているよ

もしおまえが、すべての花が死ぬ頃に帰ってくるなら
そしてわたしが、もう死んでしまっていたとしても
おまえは、わたしが眠る場所を見つけるだろう
そしてひざまずき、祈りの言葉を言ってくれる

わたしは、わたしの上に、おまえのやわらかな足音を聞くだろう
そしてわたしの見るすべての夢はあたたかく、甘い
もしも、おまえが「愛している」と言ってくれるなら
わたしはただ安らかに、お前が来るまで待っているよ

(All rights reserved 、Copyright ©2004Rio Yamada
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